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もうひとりのフジキセキ

朝の眩しい光で目が覚めた。
ベッドに寝かされていたのはまだいいものの...
「おはよう。トレーナーさん。今日もかわいいね」
頭を整理しているとき、聞き覚えのある声が後ろから聞こえた。
「フジ...!それも裸だし!服着て!」
朝の一発目からこんな衝撃が来るとは思ってもいなかった。
フジは裸なんて別にいいじゃないか、と言われたが、私の方が持たないのだ。
「つまり、私はフジにいっぱいキスされたあとなんやかんやあってベッドに寝かされていたってこと?」
「うん。あの時のトレーナーさんの姿を今でも思い出しちゃうな...あまりにも可愛かったから」
「は、恥ずかしいからや、辞めてね?」
「トレーナーさんが言うなら私だけの秘密にしとくかな?」
「そうじゃないと、私の立場が本当に危なくなるからそうしといてくれると...」

「あっ!フジに似たあのウマ娘はどうなったの?」
私が面倒を見ると言ったのに、私が昨日の夜しくじったせいで面倒を見れなかったあのウマ娘。
「いや、それがね。リビングや色んなところ見てもいないし、どこにもいないみたいだ」
「それじゃ、逃げ出したとかじゃない?」
「うん。それも頭に過ぎったんだけどね。
ちゃんと鍵は閉めてるし、逃げ出すことは出来ないと思う」
確かに私は鍵をきちんと閉めてるし、頭の中にもきちんと鍵を閉めたという記憶はある。
「でも、あのウマ娘には感謝しなきゃね」
「なんで?昨日の夜、嫉妬してたんだ。って言ってなかった?」
「トレーナーさんの本当の気持ちが聞けたから。
私もそうだけど、トレーナーさん照れ屋さんだからこういうのあまり言わないからさ」
「だって恥ずかしいし、やっぱり大人と子供だから...
フジが一人の女性として大好きでも」
「気持ちには答えられない、ってこと?」
フジには悲しい顔をさせないと決めているが、こればかりは仕方がないことだ。
「そういうことになっちゃう、かな...」
苦笑いを浮かべた瞬間、フジが私に勢いよくダイブを仕掛けてきた。
「それだったら、私の事を一人の女性として大好きです、っていっぱい言えるように頑張らなきゃね!
トレーナーさん、覚悟しておいてね?」
フジの顔つきがガラッと変わり、これは本気で落としに来てると察知した。

「フジったら...でも、これからもよろしくね。
フジのこと、大好き。」
「私もだよ。トレーナーさん」
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