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しあわせな未来をあなたと共に

フジにも表情は完全に見られていた。
姿を見られたくなくて、森の奥深くまで逃げてきてしまったが、ここなら見つからないし大丈夫だろう。
仕事人としてあるまじき姿を晒してしまった。
いくら昔から仲良くさせてもらってるからと言って、
こんなことをやらかしてしまった自分が恥ずかしい。
戻るのにも勇気がいるし、途方に暮れるしかない。

「トレーナーさん!!」
この声はフジだった。
声がした方を振り向くと、そこにはフジがいて。
気がついたときには抱き締められていた。
「フジ...その格好って」
「まず格好のことは置いといてくれないか?
みんなトレーナーさんのこと探してて、ようやく見つけたんだ。さぁ、みんなの元へ帰ろうか」
「帰れないよ、私やらかしちゃったもの」
「やらかした、ってさっきのことかい?」
「それしかないでしょ?」
フジの顔がよく見れない。
「私が全て悪いね。
トレーナーさんに不安を煽るようなことを言わせて、撮影に迷惑をかけちゃって。
トレーナーさんのウェディングドレス姿に対してモヤモヤするってこと。」
「うん、何でモヤモヤしたのって。
あれだけ私のウェディング姿を見たがってたのに、
急にモヤモヤするからって言われて...」
「ウェディングドレスを着て、ようやく分かったよ。
トレーナーさんが、離れていく気がしたんだ。
こうやって今お互いにウェディングを着ているけど、いつかは私と違う人の隣でウェディングドレスを着るんじゃないかって考えてしまって...
自分でもよく分からないんだ、何でこんな気持ちになるんだろうってモヤモヤしてる」
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