それ以上のプレゼントを
帰り道。帰り慣れてる道なのに後ろから視線を感じる。怖くなり、急いでトレーナー寮の部屋に戻った。
「もしかして不審者?」
トレセン学園限らず、最近は不審者が多いとは聞いた。だが、まさか私が体験してしまうとは。
服を着替えに行くと、リビングのソファには私の昔のお下がりを来たフジキセキがいた。
「フジ!なんでここに!?」
「トレーナーさんが心配になって、追いかけてきたんだよ」
迷いがない眩しい笑顔。心臓に悪いから突然出てくるのはやめて欲しいけど、それがフジキセキのモットーだから仕方がない。
しかしフジがいてもやることは変わらない。
夕ご飯を食べたらお風呂に入って、明日の準備。
時間も時間だし夕ご飯を作らないと。
と思った瞬間、フジから床ドンなるものを食らってしまった。
「フジ...?フジキセキさーん?」
フジは呼び掛けに応じない。
「トレーナーさん、隠してることあるよね?」
「え、ええっと...」
「トレーナーさんが私のお返しを考えてないこともあるけど、同僚トレーナーと仲良く話すトレーナーさんは見たくなかった...」
フジには全部お見通しだった。
私がフジへのお返しを考えていないことを。
でも、一番フジが傷ついたのは同僚トレーナーと仲良く話す私の姿だった。
ちゃんと寮に入った姿を見たから、フジは見ていないと完全に腹を括っていた。
「フジ...嫉妬したの?」
「まぁ...そういうことになる...かな...」
上にいるフジの表情は悲しげで、しっぽと耳が項垂れていた。フジに悲しい思いはさせたくない。
だから―――
「私はフジのこと、大好きだよ。
かっこよく振る舞うフジキセキも、エンターテイナーとして頑張る姿、普段の姿のフジキセキ全部大好きだよ。
フジキセキの一番輝く姿を最初から知ってるのは私が最初だし、責任は人生の最後まで取るよ。」
そうやってフジの体を吸い寄せて強く抱き締めた。フジも私の様子を見たのか抱きしめあった。
「私もトレーナーさんの人生の最後まで一緒にいたいし、トレーナーさんの責任は取るよ?
いいかな?」
フジの目は真剣そのものだった。
「ずっと一緒にいようね」
「そう言われちゃあ、断れないよ...。
断るつもりなんて無いけど」
「つまり...、トレーナーさんは料理やお菓子を作るのが苦手で私にあまりプレゼントしたくなかったということ?」
「だって下手くそなお菓子なんていらないでしょ?そ、それにマズイだろうし!」
二人で夜ご飯を作っている最中、ホワイトデーのお返しのことを隠していたことなんかをフジに話していた。
私が度がつくほど料理やお菓子作りが苦手で、
もしあげたら引かれるのではないかと。
またホワイトデーのことを忘れていたこと。
「忘れた罰としてお仕置きするべきだよね?」
フジキセキの笑ってない表情。フジを怒らすことはあまりないが、これは本気だ。
「ごめんね、フジ」
とっさに謝ろうとしたとき。
「お仕置き兼ホワイトデーのお返しは明日トレーナーさんを一人占めしようかな」
「ひ、一人占め?」
それがお仕置きに繋がるのだろうか?
「ふと思い出したんだよ。こうやって共同作業をやってると、ほんと夫婦みたいで私は好き。
あとお仕置きだから、明日は仕事しちゃいけないし他のポニーちゃんたちともあまり話さないでほしい...」
確かに私も同じことは思ったし、共同作業をしている最中では「夫婦か?!」と錯覚した。
「もしかして不審者?」
トレセン学園限らず、最近は不審者が多いとは聞いた。だが、まさか私が体験してしまうとは。
服を着替えに行くと、リビングのソファには私の昔のお下がりを来たフジキセキがいた。
「フジ!なんでここに!?」
「トレーナーさんが心配になって、追いかけてきたんだよ」
迷いがない眩しい笑顔。心臓に悪いから突然出てくるのはやめて欲しいけど、それがフジキセキのモットーだから仕方がない。
しかしフジがいてもやることは変わらない。
夕ご飯を食べたらお風呂に入って、明日の準備。
時間も時間だし夕ご飯を作らないと。
と思った瞬間、フジから床ドンなるものを食らってしまった。
「フジ...?フジキセキさーん?」
フジは呼び掛けに応じない。
「トレーナーさん、隠してることあるよね?」
「え、ええっと...」
「トレーナーさんが私のお返しを考えてないこともあるけど、同僚トレーナーと仲良く話すトレーナーさんは見たくなかった...」
フジには全部お見通しだった。
私がフジへのお返しを考えていないことを。
でも、一番フジが傷ついたのは同僚トレーナーと仲良く話す私の姿だった。
ちゃんと寮に入った姿を見たから、フジは見ていないと完全に腹を括っていた。
「フジ...嫉妬したの?」
「まぁ...そういうことになる...かな...」
上にいるフジの表情は悲しげで、しっぽと耳が項垂れていた。フジに悲しい思いはさせたくない。
だから―――
「私はフジのこと、大好きだよ。
かっこよく振る舞うフジキセキも、エンターテイナーとして頑張る姿、普段の姿のフジキセキ全部大好きだよ。
フジキセキの一番輝く姿を最初から知ってるのは私が最初だし、責任は人生の最後まで取るよ。」
そうやってフジの体を吸い寄せて強く抱き締めた。フジも私の様子を見たのか抱きしめあった。
「私もトレーナーさんの人生の最後まで一緒にいたいし、トレーナーさんの責任は取るよ?
いいかな?」
フジの目は真剣そのものだった。
「ずっと一緒にいようね」
「そう言われちゃあ、断れないよ...。
断るつもりなんて無いけど」
「つまり...、トレーナーさんは料理やお菓子を作るのが苦手で私にあまりプレゼントしたくなかったということ?」
「だって下手くそなお菓子なんていらないでしょ?そ、それにマズイだろうし!」
二人で夜ご飯を作っている最中、ホワイトデーのお返しのことを隠していたことなんかをフジに話していた。
私が度がつくほど料理やお菓子作りが苦手で、
もしあげたら引かれるのではないかと。
またホワイトデーのことを忘れていたこと。
「忘れた罰としてお仕置きするべきだよね?」
フジキセキの笑ってない表情。フジを怒らすことはあまりないが、これは本気だ。
「ごめんね、フジ」
とっさに謝ろうとしたとき。
「お仕置き兼ホワイトデーのお返しは明日トレーナーさんを一人占めしようかな」
「ひ、一人占め?」
それがお仕置きに繋がるのだろうか?
「ふと思い出したんだよ。こうやって共同作業をやってると、ほんと夫婦みたいで私は好き。
あとお仕置きだから、明日は仕事しちゃいけないし他のポニーちゃんたちともあまり話さないでほしい...」
確かに私も同じことは思ったし、共同作業をしている最中では「夫婦か?!」と錯覚した。