それ以上のプレゼントを
ちょうど一か月前の今日。
「トレーナーさん、
今日はバレンタインでしょ?」
「うん」
「だからバレンタインのプレゼントあげるね!」
「フジ、ありがとう」
いつものように仕事をしていると、フジがトレーナー室に入ってきた。
「本当にトレーナーさんはいつも忙しいね」
「そりゃフジのためなら、危険な場所に飛び込んでも構わないから!
フジが頑張っているのに、トレーナーである私が頑張らなかったらフジに申し訳ないから。
それに私は仕事の要領が悪いから頑張るしかないんだよね...」
最近は眠気が酷くて仕事中に寝落ちしてしまい、気づいて起きたら定時まで寝ていたことが多い。
それで大事な書類を書き忘れてしまい、提出期限に間に合わず上から怒られ、さらに同僚トレーナーから苦笑いされてしまった。
だが、眠気には勝てないでいる。
「最近トレーナーさん、ちゃんと眠れてる?」
「うん、眠れてるよ」
「本当に?」
「本当。」
「前、それで倒れたことあるし、本当に無理しないでね?トレーナーさんが倒れたら、私は...」
言葉に詰まるフジ。
あまりフジが言葉に詰まった姿は最近見なくなったから、ふとこうやって行動に現れるとドキッとする。
いやいや!私はトレーナーで、フジは学生だ。
大の大人ならフジをきちんと見守らないと。
「確か今日はホワイトデーじゃないかい?」
「ほ、ほわいとでー??」
なんだろうそれは?
「えっとね...由来は『3月14日に定められています。 3世紀のローマで恋愛結婚の禁止令を守れなかった若い男女がバレンタイン神父に救われ、神父がそのために亡くなった(2月14日)1カ月後のこの日に、男女は永遠の愛を誓い合ったことに由来しています。』だそうだよ。」
「すごい壮大な回答が来た...フジは物知りさんだね」
「トレーナーさんに褒められると嬉しいなぁ。
簡単に言うと、私がトレーナーさんにバレンタインプレゼントをあげたから、ホワイトデーではトレーナーさんから私にプレゼントをあげる、つまりお返しが欲しいって訳さ!」
フジの言いたいことは分かる。というか語尾に!がたくさんついてそうな口調から私のプレゼントが欲しいってことは丸見えだ。
しかし...そもそもフジからバレンタインプレゼントをもらったことを忘れていて、しかもホワイトデーでなるイベントのことすら知らなかった私は、無論フジへのお返しなんて用意すらしていない。気づかれない程度にフジを見るとワクワクした表情。これはどうすれば回避できるのか...とそう思ったとき。
「ち、ちょっと待ってて!」
フジには悪いが、しばらくトレーナー室から離れることにした。
だが、どっちに転んでも解決しないだろうとなりトレーナー室に戻ることに決めた。
「トレーナーさん、いきなりダッシュして部屋を出ていったから心配したけどこの表情なら心配ないね?」
ああ...私はダッシュして急いでトレーナー室から退出したのか...。
「え、え、えっとねフジ、よく聞いて」
「そんなに畏まらなくてもちゃんと聞くよ?」
「ホワイトデーのお返し、持ってくるの忘れちゃったから明日か明後日?あたりに持ってくる...ね」
フジを裏切ることはしたくなかったが、フジに裏切られたくない一心で自分を納得させた。
「トレーナーさんと別れたくないな...」
いつものように体をくっつけて歩く。
こうやって見るとフジも年頃の女の子なんだと実感する。
「トレーナーさん、
今日はバレンタインでしょ?」
「うん」
「だからバレンタインのプレゼントあげるね!」
「フジ、ありがとう」
いつものように仕事をしていると、フジがトレーナー室に入ってきた。
「本当にトレーナーさんはいつも忙しいね」
「そりゃフジのためなら、危険な場所に飛び込んでも構わないから!
フジが頑張っているのに、トレーナーである私が頑張らなかったらフジに申し訳ないから。
それに私は仕事の要領が悪いから頑張るしかないんだよね...」
最近は眠気が酷くて仕事中に寝落ちしてしまい、気づいて起きたら定時まで寝ていたことが多い。
それで大事な書類を書き忘れてしまい、提出期限に間に合わず上から怒られ、さらに同僚トレーナーから苦笑いされてしまった。
だが、眠気には勝てないでいる。
「最近トレーナーさん、ちゃんと眠れてる?」
「うん、眠れてるよ」
「本当に?」
「本当。」
「前、それで倒れたことあるし、本当に無理しないでね?トレーナーさんが倒れたら、私は...」
言葉に詰まるフジ。
あまりフジが言葉に詰まった姿は最近見なくなったから、ふとこうやって行動に現れるとドキッとする。
いやいや!私はトレーナーで、フジは学生だ。
大の大人ならフジをきちんと見守らないと。
「確か今日はホワイトデーじゃないかい?」
「ほ、ほわいとでー??」
なんだろうそれは?
「えっとね...由来は『3月14日に定められています。 3世紀のローマで恋愛結婚の禁止令を守れなかった若い男女がバレンタイン神父に救われ、神父がそのために亡くなった(2月14日)1カ月後のこの日に、男女は永遠の愛を誓い合ったことに由来しています。』だそうだよ。」
「すごい壮大な回答が来た...フジは物知りさんだね」
「トレーナーさんに褒められると嬉しいなぁ。
簡単に言うと、私がトレーナーさんにバレンタインプレゼントをあげたから、ホワイトデーではトレーナーさんから私にプレゼントをあげる、つまりお返しが欲しいって訳さ!」
フジの言いたいことは分かる。というか語尾に!がたくさんついてそうな口調から私のプレゼントが欲しいってことは丸見えだ。
しかし...そもそもフジからバレンタインプレゼントをもらったことを忘れていて、しかもホワイトデーでなるイベントのことすら知らなかった私は、無論フジへのお返しなんて用意すらしていない。気づかれない程度にフジを見るとワクワクした表情。これはどうすれば回避できるのか...とそう思ったとき。
「ち、ちょっと待ってて!」
フジには悪いが、しばらくトレーナー室から離れることにした。
だが、どっちに転んでも解決しないだろうとなりトレーナー室に戻ることに決めた。
「トレーナーさん、いきなりダッシュして部屋を出ていったから心配したけどこの表情なら心配ないね?」
ああ...私はダッシュして急いでトレーナー室から退出したのか...。
「え、え、えっとねフジ、よく聞いて」
「そんなに畏まらなくてもちゃんと聞くよ?」
「ホワイトデーのお返し、持ってくるの忘れちゃったから明日か明後日?あたりに持ってくる...ね」
フジを裏切ることはしたくなかったが、フジに裏切られたくない一心で自分を納得させた。
「トレーナーさんと別れたくないな...」
いつものように体をくっつけて歩く。
こうやって見るとフジも年頃の女の子なんだと実感する。
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