天使の舞〜悪魔の兆し 編
name change
夢小説設定ここでは名前を自由に入力できるぞ。お前の好きな名前を入れてみてくれ。それにより面白みも増すだろ。
と言っても女性ばかりだが……
ん? 最後だけ男か。奴は、アイツが初めて……
いや、すまん。何でもない。では、よろしく頼む。
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「 キス……されちゃった……楓くん……」
「!?」
「仙道さんにも、ぎゅって……
藤真さんに……涙……見られちゃった……
ごめ、なさい……警戒しろって言われてたのに
約束……したのに……守れなかった……」
ーー‥
試合後、会場の裏側で
( よし、忘れ物もないし、OK!)
綾は更衣室で身支度を済ませ、家路に着こうとドアを開けた。
すると‥‥
「! 楓くん。」
流川が通路の壁に寄りかかっていた。
「あれ……一人なの? みんなは?」
「会場の外にいる。」
「そうなんだ、じゃあ早く行かなきゃ!
待たせちゃ悪いよね。」
綾が走り去ろうとした、次の瞬間
グッ…!
「きゃっ……!」
腕を掴まれ、そのまま壁際に追い詰められてしまった。
片方の腕で道を阻まれ、動けない。
すぐ近くには流川の顔が‥‥
「ちょっ……か、楓くん……!?」
突然の出来事に驚きを隠せない。
「この間言っただろ……
試合に勝ったら、お礼に
キス、させてくれって……」
「!?」
流川の瞳には、もはや彼女しか映っていない。
真剣な眼差しでこちらを見つめている。
「やだ……わ、私……!」
綾は必死に抵抗するが
「綾、好きだ……
初めて出会った時から、ずっと……」
流川は顔を傾け、唇にそっとキスをした ‥ーー
「!!」
( 楓くん……どうしてこんなことするの……?
もう、分かんない……!
紳ちゃん……助けて…… )
視点を唇から再び顔に戻すと
綾は大粒の涙を流していた。
「……!!」
ぐすっ、ぐすっ‥‥
( この涙を俺が拭ってあげられたら……
このまま、抱き締めてやれたら
どんなにいいか……
そんな資格、これっぽっちもねえ。
俺はただ、お前の笑った顔が……見たかった。
ただ……それだけだったのに……
結果として、泣かせてしまった……
とんでもねー、どあほぅだ…… )
「か、えでくん……
ごめんなさい……」
「!」
その一言だけを言い残し、彼女は去った。
( 悪いのは俺の方なのに……
アイツは、いつもそうやって
自分を責めてばかりで……優しくて……
本当は辛いクセに、無理して笑って……
俺の力じゃ
アイツを笑顔にしてやることもできないのか……!! )
ガンッッ!
壁に向かって拳を思い切り殴り当てた。
( 綾、ちくしょう……!! )
生まれて初めて
女のために、涙を流した‥‥
ーー
ドン‥‥!
泣き崩れながら闇雲に通路を走っていると、何者かにぶつかってしまった。
「あ、ごめ……なさい……」
「え……綾ちゃん……? どうして泣いて……」
その人物は、陵南の仙道だった。
彼は泣きじゃくった彼女の姿に驚いている。
「仙道さん……?
私……ごめんなさい、みっともない顔で……」
「何があった……? さては、流川か……?」
「……っ」
綾はその人物の名に過剰に反応していた。
流川といい、どうしてこの人たちは相手の気持ちが見えるのだろうか‥‥
すぐ顔に出てしまう自分の性分が、これほどまでに憎いと感じたことは初めてだった。
「……図星だな。」
「…………」
「三浦台との試合後、綾ちゃんが突然倒れて……俺……ずっと心配してたんだぜ。」
「ご、ごめんなさい……」
すると
仙道は、綾を思いきり抱き締めた。
彼の心臓の鼓動が鮮明に聞こえる。
「!? 仙道さん……
やっ……離してください……!」
両手で胸板を押すが、びくともしない。
「……天使を、このまま放っておけないさ。」
「え……?」
「牧さんと……
今後、何かあったら俺のところにおいで。
いつまでもずっと、待ってるから……」
そう言って綾を解放した。彼女の掌に小さく丸めた紙を乗せ、そしてゆっくりと握らせた。
「仙道さん……? 失礼します……!」
「あ……」
( これで……
これからは意識してもらえるかな。)
走り去る綾の後ろ姿を、ずっと見つめていた。
ダッシュして行った先に、なんと
藤真と花形の姿が‥‥
「春野……!?」
「えっ……藤真さん……?」
( こんな……再会の仕方、ないよ……! )
そして、ついに
「綾……!!」
「し、紳ちゃん……!」
「「 牧…… 」」
「ん……? 藤真に、花形……?」
牧の予感は的中した。
この様な状況は以前にもあった。
しかし、今気にかかるのは
綾が泣いてしまっていること。
過去の自分ならば逃げ出してしまっていたが、現在はそうじゃない。
" 何があっても、彼女を信じる。"
そう‥‥決めたのだから。
「! 紳ちゃ……」
牧は、綾を優しく抱き締めた。
もうどのくらい泣いていたのだろうか。
綾の目は真っ赤に腫れてしまっている。
「綾……
大丈夫だ。もう泣くな……
奴らに何かされたのか?」
「「春野……?」」
彼の声、優しさ、温もりに包まれ
心の中に蓄積されていた悲しみが
一気に解放された。
「……本当に、ごめんなさい………」