天使の舞〜悪魔の兆し 編
name change
夢小説設定ここでは名前を自由に入力できるぞ。お前の好きな名前を入れてみてくれ。それにより面白みも増すだろ。
と言っても女性ばかりだが……
ん? 最後だけ男か。奴は、アイツが初めて……
いや、すまん。何でもない。では、よろしく頼む。
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海南大附属高校。とある三年の教室。
「ーー で、あるからして……」
ただ今、現代文の授業中。
( 俺は勉強も割りかし好きで、自分で言うのも何だが成績はどちらかと言えば良いほうだ。
文武両道を心がけている。)
今回の学習内容は、とある有名な日本の詩人・童話作家の代表作だ。
雨ニモマケズ…
風ニモマケズ…
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラツテイル
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニヨクミキキシワカリソシテワスレズ
東ニ病気ノコドモアレバ行ッテ看病シテヤリ…
( いつも自分よりも他人のことを優先して……
困っている奴がいれば見過ごせなくて……
応急処置も的確で……
そして、
いつも花のように静かに笑っていてくれる。
この詩……アイツみたいだな。
綺麗なものを綺麗だと言ってくれる人が好き、か……
以前、公園と体育館の脇に咲いていた色とりどりのアジサイの花。
幻影と現実の綾の言葉がリンクしていて思わず笑ってしまった。
まだ咲いてるといいんだが……
今度は二人きりで一緒に見たいと、素直にそう思った。)
パラパラと教科書のページをめくる。
先日、綾が作った四つ葉のクローバーのしおりを早速愛用していた。
枚数は三枚ほどあり、裏側にはそれぞれメッセージが書かれていた。
常勝・王者・海南!
私も好きな安西先生の言葉だよ。
最後まで希望を捨てちゃいかん…
諦めたら、そこで試合終了だよ。
どんなに小さな花だって、大輪の花を咲かせる資格を持ってる…! よね?
空白にはバスケットボールや背番号4番の海南ユニフォームのイラスト、牧の似顔絵とさらには
" I love you too… "
と、小さく文字も書かれていた。
( フッ、盛り沢山だな。)
これを製作している彼女の姿を想像し、彼は思わず微笑む。
こういった気遣いができるところを好いており、恋人として誇らしく思っていた。
すると
「ねーねー、牧くん。」
「ん?」
隣の席の女子が話しかけてきた。
「そのしおり、もしかして手作り? 可愛いね。」
「ああ、これか。彼女にもらったんだ。」
「知ってる! 湘北の一年生でしょ。
牧くんって年下の子が好きなんだ? なんか意外かも。」
「そうか? まあ、アイツは特別だからな。」
その後、バスケ部主将の顔つきに変わった牧は
( もうすぐ湘北は古豪・津久武との対戦か……
赤木と桜木の敵である、新しく入った一年のセンターがどんな奴なのか見ものだな。
激励も兼ねて、また偵察に行ってみるか…… )
キーンコーン、カーンコーン‥‥
授業の終わりを知らせるチャイムが学校中に鳴り響く。
「「 おい、牧! 」」
クラスの男友達が一斉に集まってきた。
彼は人徳があり、とても顔が広く同級生の友人も多い。男女共に大人気なのである。
「おう、なんだ?」
「お前の彼女、めっちゃ可愛いって噂だぜ。今度紹介してくれよ~。」
「俺も、俺も!」
「湘北でマネージャーやってんだろ?」
この直後、牧は眉をしかめた。
( まったく、どれだけライバルがいるんだか…… )
「……機会があったらな。
次は移動教室だろ?
そんなことより、早く行こうぜ。」
彼らは教室を後にしたが
ひらっ‥‥
この時、間に挟んでおいたノートから
しおりが一枚だけ床に落ちてしまった。
牧はそのことに気付いていなかった。
「ん……? 何よ、これ……?」
この一枚のしおりが
二人の仲を引き裂く事態に発展してしまうとは
この時はまだ知る由もなかった ーー