天使の舞〜悪魔の兆し 編
name change
夢小説設定ここでは名前を自由に入力できるぞ。お前の好きな名前を入れてみてくれ。それにより面白みも増すだろ。
と言っても女性ばかりだが……
ん? 最後だけ男か。奴は、アイツが初めて……
いや、すまん。何でもない。では、よろしく頼む。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「牧くんに、襲われかけた……!?」
ここは親友のカナの自宅。相談に乗ってほしいと連絡をすると、すぐに家においでよ、と快く迎えてくれた。持つべきものは友。本当に有難いと実感したのだった。
「うん……あれから、少し気まずくて会話もほぼ無くなっちゃったんだ。」
「いやいや、すごい贅沢な悩みなんじゃないの? それって……あの牧くんが、だよ? オオカミになるなんて信じられないんだけど。」
まさかあの彼に限って、とカナは驚きを隠せない。
「紳ちゃん……すごく切なそうな顔してたの。それがずっと頭に焼き付いて離れなくて……」
「ふ〜ん……たぶん、牧くんは綾を独占したくてたまらないんじゃない?」
「え……?」
「だって、すごくヤキモチ焼きなんでしょ?
やっぱりライバルが多くて不安なんだと思うな。神奈川No.1も苦労するわね……」
「……時々、そんなにすごい人の彼女でいいのかなって思う時があるよ。
私なんかよりも綺麗な人とか、もっとふさわしい人がいるはずなのに……って。」
「そんな、マイナス思考過ぎでしょ!
もっと自信持ちなよ!
牧くんは綾だからいいんだよ。そのままの、綾が!」
「そのままの、私……?」
「そんなに気になるなら直接聞いてみればいいじゃん。電話でも、メールでもさ。」
「だけど……
忙しいだろうし……迷惑じゃないかな。」
「なんで!? 綾は彼女なんだよ!?
言いたいことや聞きたいことがあったら、いつでも好きな時に話せばいーじゃん!
牧くんって、そんなに小さい男なの!?
……重荷になってるなら、別れちゃいなよ。」
「!?」
カナは友人に対し、初めて怒りを露わにした。
「っ……そんなのイヤだよ、絶対にイヤだ!」
「じゃあ、もう答えは出てるじゃん。
私さ、まだ彼に会ったことないけど何となくだけど分かるよ。
綾をとても大事にしてるんだな、って。そんな悲しい顔、牧くんが見たいと思う?きっと笑った顔が好きなんだよ。綾は笑顔が一番似合うんだから!」
「笑顔……?」
ーー‥
綾ちゃんは、そのままでいいんだよ。
笑顔を失った綾ちゃんなんて、見たくない。
きっと、牧さんだって……
俺は、牧さんと一緒にいる時の幸せそうな綾さんの笑顔が、大好きなんです!
だから、そんな顔しないでください!
お嬢さんの存在が、牧くんを強くしてるのではないかな……?
‥ーー
( 神先輩……清田くん……時田さん…… )
今になって、彼女はやっと理解した。
皆がどんな気持ちでその言葉を発していたのか。
が、気付くのに少し
いや、だいぶ時間がかかり過ぎた。
自分の浅はかだった考えに反吐が出る。
ー そして
「綾の初めて……牧くんに捧げてきなよ。今まで以上に絆が深まるかもしれないよ。」
牧くん、きっと喜ぶと思う。
と、優しい表情で彼女は言った。
「う、うん……
カナちゃん、相談に乗ってくれてありがとう。
私、カナちゃんとお友だちになれて本当に良かった。これからも、よろしくね!」
「綾……」
( みんな、きっとそーいう所が好きなんだと思うよ。
私が男だったら、とっくに惚れてる。
ますます牧くんに会ってみたくなったよ。)
友人の幸せを心から願うカナであった。
( 紳ちゃん、今すぐ逢いたいよ…… )
ーー
( 綾を、傷付けてしまった。
男として最低のことをしたと思っている。
時計屋に向かっている間もあまり元気が無く、極端に会話が少なかった。
綾は気にしいだから、きっと笑顔の裏でまた思い詰めているのかもしれないな。
一度、二人でしっかり話し合おう。
アイツの気持ちが知りたい。
俺の気持ちも、全て伝えたい……! )
「牧さん、綾ちゃんは大丈夫なんですか? 突然倒れたから驚きましたよ……」
突如、神が話しかけてきた。
「ああ。大丈夫だがあまり元気が無くてな。」
「……牧さん!
この間のデート、中途半端なところで終わったじゃないですか。あれじゃ不完全燃焼っすよ!
この俺が綾さんを元気にしてあげますよ!」
「何?
清田、お前はもうとっくに振られて……」
「も、もちろん、友達としてっすよ!」
「俺も、綾ちゃんに会いたいな。友達が困ってるのに、放っておけませんよ。」
「お前たち……
ん……?」
ふと、体育館の入口付近にあるものが
牧の視界に入った。
ゆっくりと歩み寄ると
それは朝露で濡れた、アジサイの花。
白、青、ピンク、紫色など色彩豊かであった。
笑っていたり、怒っていたり、泣いていたり。
まるで百面相な彼女の表情に見えた。
「綺麗だな……」
牧は綾を想いながら、小さく呟く。
( アイツが今、ここにいたら
きっと、笑ってこう言うだろうな…… )
‥‥
ねぇ、紳ちゃん!
見て見て、アジサイがいっぱい咲いてるよ~!
どの色もすごく綺麗……
雨にも風にも負けないで、一生懸命に花を咲かせたんだね。
強いよね。私もこうでありたいなって思うよ。
‥‥
ほんのわずかだったが
彼女の幻影が見えたような気がして
胸の奥がギュッと締め付けられた。
牧はその場に立ち尽くしたまま、拳を震わせていた。
( 綾…… )
ーー‥
私も何かプレゼントできたらいいのにな。
紳ちゃんは、何が欲しい?
‥ーー
俺……
俺は……
お前の心が……
すべてが……欲しい……