天使の舞〜悪魔の兆し 編
name change
夢小説設定ここでは名前を自由に入力できるぞ。お前の好きな名前を入れてみてくれ。それにより面白みも増すだろ。
と言っても女性ばかりだが……
ん? 最後だけ男か。奴は、アイツが初めて……
いや、すまん。何でもない。では、よろしく頼む。
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カラン‥‥
再び訪れた、街中の情緒溢れる小さな時計店。
以前と違うところは、彼も一緒だということ。
( このお店の雰囲気、すごく好きだな…… )
遠くに住む祖父母の家に遊びに来た様な、そんな感覚。それは店主の人柄の良さから滲み出ているものなのだろうか。
「いらっしゃい。おや、君は……」
「お爺さん、こんにちは。お久しぶりです。」
「こんにちは。初めまして。」
二人はお辞儀をし、挨拶をした。
「お嬢さん、また会えたね。
こちらが例の恋人かい? イイ男じゃないか。
あれから無事に復縁できたみたいじゃな。
良かった良かった……」
「はい……
お爺さん、先日は本当にありがとうございました。今日はそのお礼に伺ったんです。」
「僕からも、お礼を言わせてください。
どうもありがとうございました……!」
店主は二人の腰の低さに驚いていた。
今時、ここまで謙虚な若者がいるのかと‥‥
「いやいや、ワシは何もしとらんよ。
君たちの関係を修復できたのは互いを信じ合っていたからであって、ワシは助言をしたまでに過ぎない。」
「お爺さん……」
綾は店主の優しい言葉に感銘を受けていた。
「申し遅れていたね。私は時田。
時田権三じゃ。
ゴンじいさん、とでも呼んでおくれ。」
「春野綾です。
私……時田さんとお知り合いになれて、とても嬉しいです!」
「牧紳一です。
時田さん、よろしくお願いします。」
「はっはっは、ワシも今時珍しい礼儀正しい若者に会えて嬉しいよ。
ところで、君は背が高いね。バレーボールの選手か何かかい? 体もしっかりしていて強そうだ。」
「はい。バスケットボール部で、キャプテンを務めています。」
「バスケット……?
君はもしや、海南の牧くんじゃないか!?」
店主は目を見開き、驚いた。
「はい、そうですが……」
「そうかそうか、いや~、立派だな。
新聞や地域の情報誌にも取り上げられていてね。どこかで見た覚えがあると思っていたんじゃよ。
確か全国的に有名で、県内で一番の選手だとか。親御さんもさぞ鼻が高いじゃろうて。」
「…………」
「……?」
店主は、先ほどから元気の無い様子の
綾を心配していた。
「綾……大丈夫か?」
牧も彼女の体調を気遣い、声をかける。
「うん……」
「……何も案ずることはない。」
「!」
「牧くんは、牧くんだ。
どんなに有名になっても、それは変わらない事実じゃ。肩書きなどあってないようなものだと思うがの……
それに "お嬢さんの存在"が
牧くんを強くしているのではないかね?」
「「!!」」
「少なくとも、ワシにはそう見えるよ。
二度とあんなことがないように、今後もずっと仲良くしておくれ……」
「時田さん……」
「牧くん、君は実に誠実な好青年だ。
これからもお嬢さんを守ってあげてほしい。
活躍を期待しておるぞ。」
「はい、もちろんです。」
ー そして
「記念にお揃いの腕時計はいかがかな?
きっと、良い思い出になるはずじゃよ。」
「いえ、そこまでは……」
「そうかい? では、君たちが結婚して夫婦になってからでも構わんよ。」
「「 !? 」」
衝撃発言に、二人は顔が真っ赤になってしまった。
「ハッハッハ……! 若いっていいものじゃな。」
「それでは、失礼します。」
「時田さん、お元気で!」
二人は一礼し、店を後にした。
衰い尽きるまで二人の今後を見守ろうと
まるで孫を見つめる様な優しい眼差しで見送ったのだった。
( 綾……ゴンさんの言う通りだ。
肩書きなんて気にしなくていいんだ。
お前はそのままでいてほしい。
俺はお前が笑っていてくれさえすれば、それだけで充分なのだから…… )
( 私の存在が、紳ちゃんの力に……? )