天使の舞〜悪魔の兆し 編
name change
夢小説設定ここでは名前を自由に入力できるぞ。お前の好きな名前を入れてみてくれ。それにより面白みも増すだろ。
と言っても女性ばかりだが……
ん? 最後だけ男か。奴は、アイツが初めて……
いや、すまん。何でもない。では、よろしく頼む。
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「綾……!」
慌てて医務室のドアを開けると
彼女はベッドに寝かされており、すやすやと眠っていた。
そして
流川が綾の手を握っていた‥‥
「…………」
「流川……」
「貧血と、疲労によるものらしいっす。
少し眠れば大丈夫って……」
「そうか……世話になったな。
この間も、すまなかった。綾を庇ってくれたみたいだな、礼を言う。」
牧は深々とお辞儀をした。
「俺なら……こんな思いはさせない。
絶対に負けねー……」
「流川……」
流川は捨て台詞を吐き、去っていった。
「すぅ……すぅ……」
それからと言うもの、牧は綾の寝顔を見つめながら物思いにふけっていた。
( 色々と疲れが溜まっていたんだな…… )
そして、彼女の手をずっと握っていた。
( こんなに小さな手で……大変だっただろう。)
すると
「しんちゃん……」
ハッ‥‥
「すき……」
( フッ……寝言か…… )
「ふじま、さん……」
「!?」
ー その後、しばらくして
( ん……あれ、ここは……? )
「そうだ! 試合、勝ったんだ!
そのあと、倒れて……!?」
「綾、目が覚めたか……?」
「し、紳ちゃん……
ごめんなさい……私、途中で倒れちゃって……
もしかして、紳ちゃんがここまで運んでくれたの?」
「…………」
「紳ちゃん……?」
返事はなく、彼はずっと黙ったままだった。
ギュッ‥‥
「……!」
牧は綾を力強く抱きしめた。
それは一瞬の出来事で
気付いた時には彼の腕の中に。
ドクン‥‥
ドクン‥‥
突然のことに心臓の鼓動が早くなる。
「ど、どうしたの……?
いつもの紳ちゃんじゃないみたいだよ……?」
綾の声が段々と小さくなる。
そして
「きゃっ……!」
そのまま、ベッドに押し倒された‥‥
牧は無言のまま綾に覆い被さり、シャツの中に手を侵入させようとした、その時
「や、やだ……やめて……
…… 紳一 !!」
ハッ‥‥
男はようやく自我を取り戻した。
が、すでに手遅れ。
目の前の彼女は瞳を潤ませていた‥‥
「綾……俺は、なんてことを……
すまない……どうかしていたみたいだ。
大丈夫か……?」
「……大丈夫だよ。
よかった。いつもの紳ちゃんだ……」
綾はベッドから降りて立ち上がり、牧の顔を見つめた。
「もう……紳ちゃんの、エッチ!」
「綾……」
「あ、あのね……
別に、嫌じゃ……ないからね?」
「?」
「さっきは、突然のことでビックリしちゃっただけで……
あの日、もう紳ちゃんから逃げないって、心に誓ったの。
私……初めて……だから、こんなシチュエーションはやめてほしいなって……」
綾は顔を真っ赤にしながら、上目遣いで彼にそう訴えた。
「あ、ああ……分かった。」
ー そして
「綾、無事で本当に良かった。
湘北の勝利おめでとう。控え室で赤木たちが待ってるぞ。外で待ってるからな。」
「うん、ありがとう。あとでね~!」
牧に向かって大きく手を振り、一旦離れた二人。綾は控え室へと急いだ。
ーー
「綾! もう動いて大丈夫なの?
突然倒れたから驚いたわ……」
「もう大丈夫です。ご心配をおかけしました……それより、湘北の圧勝でしたね!
桜木くん。退場になっちゃったし、ダンクも残念だったね……
これを防ぐには、日頃の小さな積み重ねしかないって思うんだ。元気出してね。」
「綾さん、ありがとうございます! 頑張ります!」
「うん、素直でよろしい!」
「おい。」
「?」
「お前、体重軽すぎだぞ。
ちゃんとメシ食ってんのか……?」
「「!?」」
「えっ、どういうこと……?」
「さっき……医務室まで運んだから。
頼むから、あんまり無理すんな……」
「え……!? 楓くんが……!?」
この時、綾の脳内で1つの物ともう1つの物が結び付いた。
「し、紳ちゃん……」
「ん……? 牧が、来てたのか?」
「はい……」
「楓くん、色々ありがとう。
この間から助けてもらってばかりだね。
私……もっとしっかりしなくちゃダメだよね!
今度、お礼させてね。」
「うす。」
「あの……公私混同してご迷惑をおかけしてしまい、本当にすみませんでした……」
「春野……」
「綾ちゃん……」
「…………」
「彼のこと、時々よく分からない時があって……支えてあげたいのに、私が鈍感だからいけないのかな。このままじゃ、どんどんみんなを傷付けちゃう……」
「なにも謝ることはない。
外で牧が待ってるんだろ……?
今日はもういいから早く行ってやれ。」
「キャプテン……
ありがとうございます。失礼します!」
バタン‥‥
綾は足早に控え室を後にした。
「ゴリ……」
「おい赤木、アイツ……一体!?」
「……牧紳一の、恋人だ。」
「なっ、何……!?」
「神奈川No. 1、か……
その肩書きが邪魔をしてるのかもな……」
ーー
はぁ、はぁ……
息を切らし、会場の外で待つ彼のもとへ。
「しっ、紳ちゃん……!」
「そんなに走って、大丈夫か……?」
「うん……ごめんね。私……
余計なこと、聞いちゃったみたい。
目が覚めた時……紳ちゃんがそばにいてくれただけで充分だったのに。
黙って陵南高校に行ったりしたから、バチが当たったのかな?
" 神奈川No.1の彼女 " なんだから、もっとしっかりしなくちゃダメだよね。
不安にさせて、ごめんね……」
「そんなこと……気にするな。
俺の方こそ、本当にすまなかった……」
「ううん……私、また倒れたり
みんなに迷惑かけないように
たくさん栄養摂って、たくさん体力つけるよ!
紳ちゃんに嫌われたら、イヤだもん……!」
「!!」
( ……そんなこと、あるわけがない。
俺はお前に助けてもらってばかりで……
さっきも無理矢理……怖かっただろうに。
お前は俺にはもったいないぐらいの女なんだ。)
「なあ、綾……」
「ん? なに?」
( お前、流川と藤真のこと、どう思って…… )
「いや……何でもない。」
「?」
「ふふっ、変な紳ちゃん。」
( お前が、そうやって笑うから……
俺の不安も、ほんの一瞬だけ……
目の前から消えて無くなるんだ。
このまま時が止まってしまえばいいのに。
そんな非現実的な考えさえ浮かんでしまう自分がいる。
恋は盲目とは言ったものだな…… )