出逢い〜告白ラッシュ 編
name change
夢小説設定ここでは名前を自由に入力できるぞ。お前の好きな名前を入れてみてくれ。それにより面白みも増すだろ。
と言っても女性ばかりだが……
ん? 最後だけ男か。奴は、アイツが初めて……
いや、すまん。何でもない。では、よろしく頼む。
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カラン‥‥
街中に佇む、趣のある小さな時計店。
壁やショーケースにはアンティークなデザインの古時計や鳩時計、腕時計などが並んでいる。
以前は行くことが叶わなかった場所。綾は、彼に貰ったこの腕時計をとにかく見てほしい一心でここまでやって来たのだった。
「いらっしゃい。
おや……これは可愛いらしいお嬢さんだ。」
店主は人柄の良さそうな老人だった。
他に客人は誰もいない。
「……こんにちは。あの、この腕時計を直していただくことは可能でしょうか……?」
「どれ……見せてみなさい。」
店主はボロボロに壊れてしまったそれを専用の小さなルーペでじっと見やる。
「…………」
しばらく沈黙の状態が続く。
カチ、コチ、といった秒針の規則的な機械音だけが鳴り響いていた。
その後、店主は意外なことを口にする。
「これは、恋人にもらったのかい……?」
「え……? どうしてそれを……」
「ワシもな、お嬢さんぐらいの年齢の時に今の婆さんと知り合って、恋に落ちたんじゃよ。
腕時計なんて当時は高価な物でなかなか買えなくてな。手に入れるまで苦労したもんだ。
何とかして彼女に自分の気持ちを伝えたくてね……彫り師にある文字を入れてもらったんじゃ。ほら、こんな具合にな……」
店主はそう言って時計盤の裏面を指差した。
すると、そこには
" I love you… "
と、小さく刻印がされていた。
「!!」
「今まで……気が……つかなかった。」
愛しの彼からの隠れた真実のメッセージ。
目頭がどんどん熱くなっていくのを感じた。
ーー‥
俺も綾を信じる。だから、綾も俺を信じていてほしい。
牧さんは……綾ちゃんのこと、嫌いになんてなっていないと思うよ。
‥ーー
( 紳ちゃん……! 神先輩……! )
「思ったよりも破損が酷くてね……
直りそうにないみたいだ。申し訳ない。
お嬢さんに何があったのかは知らんが……
二人の関係を修復することはいつでも可能じゃよ。」
「……!」
「時には心にも無いことを言ってしまったりな……
人間、素直になるのが一番じゃ。
君たちはまだまだ若い……
この先の長い人生、悔いのないように生きておくれ。」
「……はい……!
お爺さん、本当にありがとうございました。
何かが吹っ切れたような気がします。
今度ここに来る時は、彼と……二人で……」
「ああ……待っているよ。またおいで。」
「はい……!」
綾は目に涙を浮かべながら、今できる精一杯の笑顔を向ける。失礼します、と静かに店を後にした。
「婆さん、あのお嬢さんはお前の若い頃にそっくりじゃ……」
昔を懐かしむ店主は仏間に飾ってある妻の遺影を眺めながら、小さく呟いていた。
( 紳ちゃん……私、もう逃げたりしないよ。
貴方からは今までたくさんの愛をもらってきた。
今度は私がお返しする番。
覚悟していてね…… )