出逢い〜告白ラッシュ 編
name change
夢小説設定ここでは名前を自由に入力できるぞ。お前の好きな名前を入れてみてくれ。それにより面白みも増すだろ。
と言っても女性ばかりだが……
ん? 最後だけ男か。奴は、アイツが初めて……
いや、すまん。何でもない。では、よろしく頼む。
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「……なあ。綾ちゃんの好きな人って、どんな奴なんだ?」
カーテンを閉め切った薄暗い体育館内で、マネージャーの彩子と綾は部員たちの怪我の手当てをしていた。
宮城からの質問に対して、彼女は‥‥
「「 !? 」」
「えっ……えっと……」
綾は動揺してアタフタしてしまっている。
すると、近くにいた彩子が助け船を出す。
「リョータ、こんな時に何言ってるの!
今はどうだっていいじゃない!」
「彩ちゃん♡
まあそうなんだけど、さっきも今も……
恋をしてる女の子の顔だぜ、そりゃ。
これは何かあるな~と思ってさ。」
「ナハハハ!!
リョータ君は振られまくってるからな!
オンナ心ってやつが分かるんだな!」
「なっ!? お前だってそうだろーが!!
この万年フラれ野郎が!!」
「「お~、乱闘か? やれやれ~!」」
いつもの言い合いが始まってしまった。
二人は手を止めずせっせと作業を続けている。
「……で? どんな奴?」
( 流川か? 花道か? )
宮城は思わぬ彼女の反応に興味津々だ。
彼以外のメンバーは全員知っているのだが、誰も回答しようとはしない。
「……せ、背が高くて、カッコ良くて、とても優しい人です……」
抽象的な言い方で返す。
顔から火が出るほど恥ずかしいのだろうか、頬が真っ赤になってしまっている。
「へぇ……」
( 綾さんがオンナの顔に…)
( 春野さん…… )
「…………」
事情を知る男たちは、まさに傷口に塩を塗る様な思いだった。
「……じゃあ、三択クイズにします。
宮城先輩、当ててみてください!」
「へっ? クイズ?」
突拍子も無いことを言い出す彼女に、宮城は肩透かしを食らってしまう。
Q. 私の好きな人は?
1. 陵南の田岡監督
2. 湘北の安西監督
3. 海南の高頭監督
「……さぁ、誰でしょう?」
一同は目が点になってしまった。
「ぶっ……ブーっ!!
なんで全員監督なんだよ?
まさか、綾ちゃんってオジ専なのか?」
悪ぃ、腹痛え……と宮城は爆笑の渦にハマり、
彩子も笑いをこらえている様子。
「!?……なっ、違いますっ!
"監督率いるバスケ部の選手"って言ったんですよ! ちゃんと聞いてました?
も~、これ以上笑ったら宮城先輩の手当てしてあげませんからね!」
「だから、ごめんって。
( 面白いコだな~、こりゃイイや。) 」
「3番の……」
「え?」
「神奈川No.1プレーヤー……だろ。」
「なに!?」
「ルカワ!」
「楓くん。」
今の今まで黙っていた流川が、あっさりと答えを言い当ててしまった。
「かっ、海南の神奈川No.1プレーヤーって、まさか……!?」
「はい……海南の、牧紳一です。」
「マジかよ!?」
驚きの声を上げる宮城。
常勝の横断幕を掲げる強豪校。
一年の頃から怪物と称され、全国レベルの彼の名を知らない者はいない。
その彼が心を許した、ただ一人の女性なのだ。
( 牧の……女なのか…… )
ーー
「も~、楓くんが解答しちゃうから……
よし、これで何とか大丈夫!
前に喧嘩しないでって約束したのに。
二度もこんなことをする羽目になるなんて、思ってもみなかったよ。」
「悲しい顔……」
「え……?」
「さっき、悲しい顔してたから。
アイツのこと、考えてたんだろ。」
「う、うん……」
流川の視線は綾を捉えて離さない。
( 楓くんってバスケしてる時以外はボーッとしてる? のに、時々鋭い気がする……
まるで人の心が読めるみたい。)
ーー‥
流川と桜木って奴も、きっと、綾さんのことが好きだから……!!
‥ーー
先日の清田の言葉が頭をよぎる。
( そんなはず……ないよね。)
「楓くん。さっきは守ってくれて、ずっと手を握っていてくれて……ありがとう。
何だかお父さんみたいで、安心しちゃった。」
「む……親父?
……お前が無事なら、それでいい。」
「……でも綾、その時計……」
彩子が心配そうに尋ねる。
「紳ちゃんに、プレゼントされたんです。
私……彼に負担をかけたくなくて、あまり会わないようにしてるんです。
これを自分だと思って大切にしてほしいって言われて、すごく嬉しかった。
身に付けていれば彼がそばにいてくれるような、そんな気がしてずっとお守り代わりにしていました。
こうなる運命だったんですよ、きっと。
今度修理してもらうので大丈夫です!」
そう語る彼女の表情は笑ってはいたが
今にも泣きそうな、そんな顔をしていた。
(( 綾(さん)…… ))
( 紳ちゃん、か……
聞いちゃマズかったかな。
ごめんな、綾ちゃん…… )
宮城は、己の好奇心をほんの少しだけ恨んだのだった ー