出逢い〜告白ラッシュ 編
name change
夢小説設定ここでは名前を自由に入力できるぞ。お前の好きな名前を入れてみてくれ。それにより面白みも増すだろ。
と言っても女性ばかりだが……
ん? 最後だけ男か。奴は、アイツが初めて……
いや、すまん。何でもない。では、よろしく頼む。
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とある日の放課後、体育館にて。
綾は桜木と1対1での練習を任せられた。
もちろんそれは彼女がバスケ経験者ゆえの特別な措置。練習内容は主にバスケットの基本的なルールやオフェンス・ディフェンスのやり方、レイアップシュートなどだ。彼女に想いを寄せる桜木は嬉しさ全開と言った表情をしている。
「綾さんと二人きりで練習!!
ああ、生きてて良かった…… (じーん)」
( チッ、なんでアイツとどあほぅが…… )
彼らの傍にいる流川は明らかに不機嫌な様子で、面白くないと言った表情をしていた。
「桜木くん? どうしたの?」
「ハッ……! いや、なんでもないです!」
「そう? じゃ、始めよっか!」
「ねぇ流川。アンタって綾のこと、好きなんでしょ?」
突然、彩子が顔をニヤつかせながら流川に話しかけてきた。
「別に……興味ねーです。」
「ぷぷっ、相変わらず分かりやすいヤツ。
その仏頂面を見てればバレバレよ。
まぁ、あのコも相当鈍いからハッキリ伝えないと伝わるものも伝わらないかもしれないわね。
頑張るのよ、流川!」
彩子はそう言って肩を叩き、持ち場へと戻っていった。
「なんなんだ、一体……」
( 俺が……アイツを、好き……? )
ブンブンと首を左右に振り、練習を再開した流川。
このヘンな気持ちの正体は何なのか。この時の彼はまだ自分の気持ちの変化に気付いていなかった。
ーー
数メートルほど距離を空け、互いにボールを投げ合いパスの練習をする二人。
「きゃっ!」
桜木の力強いボールをキャッチした綾。
「すごい力だね、桜木くん。
私なんかじゃ相手にならないんじゃない?」
「いやいや! 全然ですよ!
もったいないぐらいのシチュエーションなんですから!」
「え? シチュエーション? もったいない?」
「いやあ、こっちの話ですよ。気にしないでください。ナハハハハ……!」
「?」
「バスケットではね、トラベリングっていってボールを持って三歩以上歩いちゃダメなの。
だから、常にチームメイトに上手くボールを回したり、自ら点を取りにいく必要があるんだよ。」
「ほぉ、トラベリングですか……なるほど。」
「あとはサッカーみたいに足を使っちゃいけないし、色々と禁止事項があるんだけど……
桜木くんは " 天才 " だから、これ以上言わなくても大丈夫かな?」
「さすが綾さん、よく分かってますね! この天才にかかれば、そんなルールなどチョロいチョロい!」
「ふふっ。そうかもしれないね?
基本的なルールだけなら本を読めば理解できるけど……
でも、いざ実戦となるとやっぱり難しいよ。
じゃ、ディフェンスとオフェンスのやり方を教えるね!」
綾は桜木の脇下からサッと瞬時にゴール下へ移動し、軽やかにレイアップシュートを決めた。
「!!」
「「!? 」」
その素早いプレイに、皆が目を疑った。
( ほぅ…… )
( 目にも止まらぬ早さだ! )
( アイツ…… )
( 綾、やるじゃない! )
「綾さん、イカす……!」
「えへへ……ありがとう。
レイアップシュートはね、結構自信あるんだ。覚えるまで苦労したけどね。
桜木くん、ちゃんと見てた?
試合中は常に相手や周りの状況を見て、頭で考えていないといけないんだって……」
綾は次第に頬を赤く染め、言葉を続けた。
「海南の……彼が……
紳ちゃんが、そう教えてくれたの。」
「「 !? 」」
「へ……? 綾さん……?」
彩子が足早にこちらに向かってくる。
皆の視線は彼女に釘付けだ。
「ちょっと、綾!?
海南の紳ちゃんって、まさか……!?」
「はい。海南大附属の、牧紳一です。
えっ? みんな、どうしたの……?」
「「 なんだって……!? 」」
「バスケット界で知らない者はいない、
あの神奈川No.1プレイヤー
牧の、恋人……!?」
「は、はい…… 一応、付き合ってます。」
皆に責め立てられ、綾の顔は茹でダコの様に真っ赤っ赤だ。
「彼女がいるって噂には聞いてたけど、
まさか綾のことだったなんて……」
バスケ初心者の桜木は名前を聞いてもいまいちピンとこなかったが、綾の真っ赤になった顔を見て、すぐにその意味を理解した。
彼の50人のフラれ記録は伊達ではない。
( まさか……そんな、嫌ダァァァァァァ!!
嘘だ、嘘だと言ってくれ……!! )
( 海南…… )
( 牧め、いつの間に…… )
しばらくはこの話題で持ち切りだった。
それほどに彼の、牧の存在感はとてつもないものだった。
先ほどのキレのある動きも彼からの受け売りだと知り、合点がいった。
しかしながら綾は困惑していた。
( もしかして言ったらマズかったのかな……?
でも、隠す理由もないし…… )
綾は言葉を選びながら叫んだ。
「あ、あの……! 私が混乱を招いたのなら、本当にごめんなさい……!
入部した時に言った通り、私は湘北(ここ)のマネージャーとしてみんなと仲良くなって、青春を謳歌したいなって思っただけなんです。
だから……
全国制覇の夢、一緒に叶えましょう……?」
今にも泣きそうな表情で精一杯のお辞儀と意気込みを語った。すると赤木が歩み寄り、綾の頭をガッと掴んだ。
「……!」
「その意気だ。
海南は俺にとって脅威でもあり、目標だ。
いつかお前の彼氏を……牧を、必ず倒す!!
そう伝えておいてくれ。」
「ゴリ……」
「キャプテン……はいっ!
ありがとうございます。彼も、キャプテンとの戦いを楽しみにしてると言っていました。
お二人は良きライバルなんですね……?」
「「 ! 」」
綾は心底嬉しそうに笑った。
赤木の応対や心遣いが身に染みたのだった。
( ふっ、牧はこの笑顔にやられたのだな。
春野は罪な女だ。ウチのバカ共にも、よく言い聞かせんといかんな…… )
「綾……俺も負けねー……
お前を全国に連れていってやる。」
「え……? ( あ、名前…… ) 楓くん?」
「ふぬーーっ!
くぉらキツネ! カッコつけてんじゃねえ!
綾さん、俺も、そのシンチャンって野郎には絶対負けませんから!
応援していてください!」
「うん! もちろん応援するよ!
二人とも、頑張ってね……!」
(( 牧め、見てろよ……! ))
打倒・海南と闘志を燃やす男たち。
こうして牧との関係性が公になり、練習にも気合いと熱が入るのだった。
( 綾……このコは本当に、魔性の女ね…… )