出逢い〜告白ラッシュ 編
name change
夢小説設定ここでは名前を自由に入力できるぞ。お前の好きな名前を入れてみてくれ。それにより面白みも増すだろ。
と言っても女性ばかりだが……
ん? 最後だけ男か。奴は、アイツが初めて……
いや、すまん。何でもない。では、よろしく頼む。
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金曜日。
綾は湘南のとある駅に来ていた。
彼からデートのお誘いを受け、放課後すぐに飛んできたのだ。
携帯電話を開いて時刻を確認すると、午後4時となっていた。
( ふぅ……紳ちゃん、まだかな…… )
ホーム近くの花壇の前で待つ。
白、赤、青、黄色、ピンク
そこにはマリーゴールドやフリージア、ツツジなど色とりどりの春の花々が植わられていた。
( キレイ…… )
花々に見とれていると、聞き慣れた彼の声が。
「綾 」
「紳ちゃん!」
「待たせてしまったみたいで悪いな。」
「ううん、大丈夫だよ!」
「そうか、じゃあ行こう。」
二人は横並びで歩き出した。
牧はさり気なく車道側に寄り、彼女の歩幅に合わせている。
そんな些細な気遣いをスマートにこなす彼にカノジョとして扱われていると思うと嬉しくなると同時に少し緊張してしまう。
( 紳ちゃん……ブレザー姿もカッコイイ……♡ )
そう、海南の制服はブレザー。綾の通う湘北高校では男子は学ランのため見慣れておらず、とても新鮮だった。
この時
牧は隣を歩く綾の手をつなぎ、ギュッと力を込める。
「!」
" ずっと離れたくない "
そんな想いが込められている様だった。
( し、紳ちゃん…… )
( 顔が真っ赤だぞ。
フッ、相変わらず可愛いヤツ。)
美男美女の二人。
度々、街行く人々が振り返る。
綾は、牧が有名人であり
高身長かつ男の色気が漂っているからだと予想していた。自身も充分に魅力があることには気付いていない。
ー そして
10分ほど歩いたところでお洒落な造りのカフェに入った。
「わぁ、素敵なお店だね! 初めて来たよ!
紳ちゃんは何頼む?」
「そうだな、俺はアイスコーヒーで。」
「コーヒーだけでいいの?
じゃあ私は、ロイヤルミルクティーと苺のパフェ!」
しばらくすると注文した品が運ばれてきた。
ひんやり冷たい珈琲と、店のロゴがプリントされたカップに注がれたミルクティー。
旬の苺とソフトクリームには苺ソースがたっぷりとかけてある。甘いもの好きにはたまらないスイーツだ。
「美味しそう~!
ねぇ、紳ちゃんも一緒に食べようよ!」
「ああ。いただくとするか。」
それからというもの綾は部活や友人、学校生活など様々な話をした。
強豪校の練習は厳しく多忙なため、二人は頻繁に会うことは許されない。
こうして実際に顔を合わせると嬉しい反面、重い現実を突きつけられてしまう切ない恋愛事情なのである。
相槌を打ちつつも愛おしそうな眼差しで彼女を見つめている牧。
ただ単に、綾が楽しそうにしている。その姿を見ているだけで日頃の疲れも吹っ飛んでしまうのだった。
その後‥‥
牧は鞄から紙袋を取り出し、テーブルの中心に置いた。
「綾、入学おめでとう。
俺からのお祝いだ。受け取ってくれ。」
「えっ……これ、私のために……?」
「ああ。」
綺麗にラッピングされた化粧箱を丁寧に開くと、中にはパステルピンク色で花びらをモチーフにした可愛らしい腕時計が入っていた。
「素敵な時計……!
どうもありがとう。大切にするね!」
突然の贈り物に満面の笑みの綾。
牧は頬杖をつき、その顔をじっと見つめている。
「どういたしまして。
喜んでもらえてよかった。」
「でも、高かったんじゃない?
部活も大変な時期なのに……ごめんね。」
「心配は無用だと言ったろ?
俺の方こそ、いつもそばにいてやれず、すまない……
その時計を俺だと思って大事にしてくれ。
たまには彼氏らしいことしてやらないとな。」
「ううん、何もしてくれなくても
こうやって紳ちゃんと一緒にいられるだけで、私は充分幸せだよ……! 本当に、ありがとう……」
「綾……」
この笑顔を曇らせたくない、守りたい。
そう心に強く誓った牧だった。
ーー
店を出た時には、辺りは薄暗くなっていた。
「綾、家まで送るよ。」
「うん、ありがとう……」
帰りの途中、小さな公園に寄りベンチに座る。
( 妙だな……さっきから、綾が一言も喋らない。)
心配になり顔を覗き込むと
「しっ、紳ちゃん……私っっ……!」
「!?」
綾が突然、泣き出した‥‥
「私、本当は、もっと紳ちゃんと一緒にいたいよ……離れたくない、大好きだよ……」
いつも元気でワガママひとつ言わない綾が涙を流し、本音を爆発させている。
ここまで我慢をさせていたのか、と
やるせない気持ちで胸が一杯に。
ー そして
牧は綾の肩を引き寄せ、ギュッと強く抱き締めた。
「! 紳ちゃ……」
大きくて、たくましくて、あったかくて‥‥
綾もそれに応える様に両手を背中に回した。
「俺も、綾のことが好きだ……」
「……!!」
「俺も、ずっとそばにいたい。離れたくない。
お前の笑顔が好きなんだ。
そして、俺を強くする。
だから、笑っていてくれ。綾……」
「紳一……」
綾は嬉し涙を流し微笑む。
抱き締める力をさらに強め、口づけを交わした。
何度も、何度も‥‥
「紳ちゃん、送ってくれてありがとう。
今日はとっても楽しかったよ!
途中、泣いちゃってごめんね。おやすみなさい。」
「ああ。俺も楽しかった。
また今度、会おうな……おやすみ。」
お互いを、信じ合う。
二人の恋の結末は、夜空に舞う星々だけが知っているのだから ‥ーー