三日目
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無邪気な言葉に、内心苦い気持ちで笑ってみせた。
「…うちは怖い人も怖い動物もいるし、普通の奴には危険な所なんだ。
ルビーを連れては行けない。ごめんな」
「う~行きたいな~…キルアのおうち…キルアが守ってくれるから、どこに行ってもあたし大丈夫なのになぁ…」
そう弱々しく呟き、ルビーは小さな寝息を立てながら眠りについた。
頭の中で、イルミの言葉が何度も反芻する。
ルビーを連れて行く事がいい事だとは、どうしても思えない。
何されるって訳じゃなくても、嫌な想いをさせるに決まってる。
無邪気なお前が傷ついて、その笑顔が消えてしまうのは絶対に嫌だ。
こいつを預かる事になってから、俺はこいつのずっと未来にまで責任を持とうと覚悟を決めたんだ。
守ってやるだけじゃなく、自分で身を守れる力をつける事。
俺の持っている全てを注いで、授ける事。
その上でお前がお前らしくいられるように、お前が不安にならないように、ずっと傍にいる事。
羽ばたく力を手に入れて、いつか他に居場所を見つける日がくるまで、俺は俺の全てを懸けてお前を育てるんだ。
「俺には見えるんだ、ルビー。お前の未来が」
自由でのびのびと育った、リンによく似た笑顔の少女。
そのゴールに向かって、突き進むと決めたから。
「…おやすみ」
そっと囁いて、朱い髪を優しく撫でる。
いい夢でも見てるのか、気持ちよさそうにルビーは微笑んだ。
二人の生活が始まって、まだ三日。
愛しい人によく似た寝顔を見つめながら、満たされていく心に小さな幸せを実感した。
俺は俺がされた事を、ルビーには絶対にできない。
だから正直、本当に俺でいいのかどうか、自信がない。
でも一緒にいるんだ。
こんな毎日が来るのはきっと、あの運命の日から決まってたんだから。
~続く~
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