三日目
夢小説設定
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ルビーを抱きながら、兄貴が何を思ってるのかは読み取れない。
単純に愛でている訳じゃない事は、コイツの人格を考えれば明白だ。
「君、名前は?」
「あたしルビー!お兄ちゃんの名前は?」
「俺はイルミ。キルアの兄さんだよ」
「うん、似てるもんー!やっぱりー!」
「ルビーはいつまでキルアといるの?」
「わかんないけど、たぶんずっといるよ!お父さんとお母さんが帰ってくるまで」
「そう…早く帰ってくるといいね」
そう言って頭を撫でようとしたイルミの腕を、強く掴み上げて止めた。
「…針なんか刺してみろ。マジで殺すぜ?」
殺気は、本物だった。
「さっきから勘繰りすぎだよ、キル」
抱いていたルビーを降ろすと、空いた手で今度こそルビーの頭をよしよしと撫でた。
「あ、そうだ。実家にはこの子供も連れて行きなよ。置いてく訳にもいかないだろ?
親父と母さんには報告しとくからさ」
「…は!?連れてくわけねーだろ。
その間だけゴンに預けるから問題ねーよ」
「俺が今のキルの姿を見せたいんだよ。その方が絶対にキルにとってもいいと思うよ」
「どういう意味だよ?」
「行けばわかる」
「おい兄貴!」
やっぱり何か魂胆があるんじゃねーか!
問い詰めようと胸倉に手を伸ばすが、華麗にかわされて風のようにイルミは姿を消した。
真意は結局わからなかった。
「ルビーをうちに…?何されるかわかったもんじゃねーっつーの!」
昔、幼かった妹…アルカへのあいつらの仕打ちを思いだして、拳を握りしめる。
実の娘にもああなんだ。
他人であるルビーになら、何をするか…。
結婚しない事をこの子が原因だと思われたら、いかなる手を使ってでも引き離しにかかるだろう。
「…ルビー、ごめんな。
まだ夜中だから、もう少し寝よう」
「うん」
部屋に入り、二人で再びベッドに潜り込む。
柔らかい羽布団を肩まで掛け、優しくトントンと叩いてやると、ルビーはさっそく眠たそうに瞼を閉じる。
「…ねーキルア」
「ん?」
「あたし…キルアのおうち行けるの?」
「…あぁ…いや、行く時は俺だけ行ってくるから、ゴンと待っててくれるか?」
「いっちゃダメなの?あたし行きたい」
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