三日目
夢小説設定
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その夜、マンションに遊びにやって来たゴンと酒を酌み交わしながら、昼間の出来事を話した。
俺のうんざりした顔を見て、ゴンは腹を抱えて笑った。
「あはははっ!苦労しそうだねキルア!
ルビーはクラピカに似て頑固だもんね」
「あー!そうだ!
くっそ~、そこはリンに似とけよ!
…って、あいつも大概だけどな!?」
「でもリンに似たら似たでキルアは苦労すると思うけど」
「…確かに。でも充分似てるぜ。天然で甘え上手なとことか」
「無茶が好きなとこもね」
「そう、自分の実力が及ばない無茶な。かなり問題児で迷惑」
「でも運はめちゃくちゃいいよね」
「だから調子に乗ってまたやらかす」
「あはははっ!やっぱりリン似だ!」
「だな」
ゴンが買ってきたおもちゃに夢中で、こっちの会話など全く耳に入っていない呑気なルビーを見て、俺たちはまた笑った。
俺がルビーにしてやれる事は、俺が昔からやってきた事だけかも知れない。
音を殺して歩いたり
的を外さない技術を磨いたり
耐性をつける為、毎日毒を飲んだり
拷問を受ける訓練をしたり
痛みや苦しみに慣れる為に
この身ひとつで人を殺せるように
立派な暗殺者になれるように
―――今となっては、経験の全てがちゃんと役に立ってるし、逆に色んな苦労を苦労と感じずに生きてこれた事に感謝してる。
何を覚えるにもほとんど躓かなかったし、出会ったもの全部がすんなり体に刻まれていった。
誰かの役に立つ事もできたし、目標は大抵クリアできた。
ルビーにも俺と同じくらいのスキルを付けたい。
自分の身を守れる以上の力があれば、こっちも心配しなくて済む。
ただ、魔法のようにそれを与えてやれるなら。
あんな地獄のような毎日を送らせずに、楽に強くしてやれたならどんなにいいか…
俺は俺がされた事を、ルビーには絶対にできない。
だから正直、本当に俺でいいのかどうか、自信がない。
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