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ラタルとルルは即日、簡単な荷物を持って家を出た。
手を繋ぎ、半ば走るような速度で空港へ向かうバスへと乗り込んだ。
「行き先は?」
「決めてない。ルルが行きたい所でいい」
「私…は、どんな場所があるのか知らないから、ラタルが決めていいわよ!」
ルルにとってはバスだって珍しい。
ラタルと会話をしながら、目は外の景色に奪われていた。
「俺の行きたい場所か…沢山ありすぎて迷うな」
世界遺産に指定されている建造物や景色、植物…絵画…
興味深い文化を持つ小さな国
世界一広い森
高い山
聖地と呼ばれる場所
……ルルにとっては暇になる物や過酷な場所しか思いつかないな。
「迷ってる?ふふ……」
「うーん……」
「じゃあほら、ラタルの好きな食べ物とかが有名な場所は?私もせっかくだから美味しい物がある所がいいわ!」
「グルメツアーか」
悪くない、と、ラタルはまた条件の良さそうな国を頭の中で検索する。
「あ、そういえばレオリオが以前持って来た旨い酒…焼酎とかいったな。
確かエイジアン地方の特産だとか」
「へぇ~!お酒ならリンのお土産にもなるわね!
無事に赤ちゃんが生まれた後のお祝い用に!」
「……あの人は我慢しきれずに今すぐ開けそうだけどな」
先程のリンの大泣きする姿を思い出し、二人はクスクスと笑った。
「じゃあとりあえずエイジアン地方に向かうか。後はなるようになる」
「ええ!楽しみ!」
ラタルの肩に頭を預けるルル。
頬をくすぐるその灰色の髪に、ラタルも頭を預けた。
膝にまで届きそうだった長い髪。
数日前にラタルに切られ、今は肩にもかからぬ短さとなった。
不器用だと罵りながら、ラタルの作り上げたそのスタイルが愛しくなってくるから重症だ。
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