トラベルトラブル
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そこ!そこで気を抜くな!」
「ちょっ……待っ……」
「ほら!また最初からだぞ!!」
俺の部屋でルルと二人、こうして練の我慢比べをするのが雨の日の日課。
向かい合わせになり、間に時計を置いて
どちらが長く練を続けられるかを競うのだ。
もちろんルルに負けた事はない。
しかしながら、会長は一ヶ月という短い間にどんな訓練のつけ方をしたんだか
念を覚えてまだ半年だというのに、ルルは一時間も練を堪えてみせる。
「今日……は……もう止めましょう……」
汗だくで床にへたり込むルル。
「そうだな。よく頑張った」
俺も練を解いて、ふぅ、と溜め息をひとつつく。
いつまでもゼーゼーと息を荒げているルルの頭を撫でてやると、嬉しそうな笑顔が俺を見上げた。
雨の日はこんな。
晴れの日は庭で目一杯動き回って。
ルルがハンター試験をクリアしてから、俺は一度も仕事を請けてはいない。
何故なら、ルルは当然のように俺についてくるつもりだから。
しかしルルにはまだ実力がついていない。
だから毎日、休む日なく訓練、訓練……
俺だって、ルルを連れて行きたいから。
一緒に生きる為に、彼女はハンターになったのだから。
でも……
たまには息抜きも必要かな。
「旅行でも…行くか」
独り言のように呟いたその言葉に、大袈裟に驚いて
ルルは何度も何度も、聞き返してくるのだった。
.