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「待て、ルル!」
先を行く長い灰色
今日はとても天気がいい
太陽の光を受けて
灰色が銀色に変わる
まばゆく輝いて
キラキラキラキラ
走る
走る
ルルを追い掛けて
思えば、いつも君が俺を追い掛けて
俺はいつも、そんな君に背中で返事を返してきた
沢山沢山傷つけて来ただろうに
俺は
君の体から流れる血を見るまで気付かなかった
心の方が、それよりずっと
ずっと痛かったに決まっているのに
「ルル!!」
鍛え上げた成果か、ぐんぐん風を切るルルを
ラタルは本気で追い掛けて、やっと追い付いた。
夢中で腕を掴むと、振り払おうとしたルルと共に勢い余って芝生の上に転がった。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
「はっ…はっ…捕まえた……」
ゆっくり体を起こし、下敷きにしてしまったルルを見ると
ボロボロとこれ以上ない程に大粒の涙を溢れさせていた。
「……ルル……」
悲しくて悲しくて仕方ない
そんな泣き顔に目を奪われて、ラタルは声を失った。
「ひっ……ひっく……い、嫌……嫌だぁ~~……どこにも……いかな……で……っ」
行かないで、側にいて
さよならする位なら、最初から側にいられる夢など見なければよかった
「……ラタルのいない……ひっく……未来……なら……いらな……っく……」
鳴咽に邪魔されながら紡ぎ出すかすれた声。
ラタルはひたすらルルの涙に見入った。
泣いてるところなんて何度も見て来たけれど
こんな泣き方をする娘だっただろうか?
こんな……子供みたいな
手放しで泣きじゃくるような
「ラタル……ラタル~……」
長い髪にサラサラと指を通す。
小さな頭を撫でて、涙に濡れた頬に触れて
自分の名前を呼びながら鳴咽を漏らすその唇を指でなぞる。
「ルル、大丈夫だから。何も心配はいらない。
俺を信じていればいい」
ラタルは真剣な声でそう言うと、ゆっくりルルにキスを落とした。
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