残りの半分
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その頃、ハンター試験は三次まで進んでいた。
一次は珍獣相手に隠されたお宝探し。
300人近い受験生に対して宝の数はその一割の30。
殺し合いが始まる度にリンが止めに入って(危険とみなした者を気絶させて回って)
混沌とした中でもリンとルルは無事一次試験を通過。
二次は迷路になった地下洞窟に30人全員が放たれ、10時間以内に地上へ出る事。
この時もリンとルルは片時も離れず、二人で一緒に通過。
一晩はホテルに泊まり、三次は―――――
『とうとう10人だね~、いつもより少ないな』
「そ……そうなの?」
広い会場に連れて来られたかと思えば、そこにはネテロにメンチ、クラピカが揃って待っていた。
見た瞬間にハッと声を上げそうになるリンだったが、何とか自らの手でそれを防いだ。
「これより三次試験を始める」
ネテロ会長が悠長に髭を撫でながら言った。
そんな事よりも、さっきから気になっていた。
この場所は
この会場は……
『忘れもしない……もしかして、三次って最終試験?』
リンがグルリと景色を見回しながら問うと、ネテロは笑いながら答えた。
「今年は試験官が厳しかったからの、人数が随分搾られた。
予定を変更して、次が最終試験じゃ」
ああ、この懐かしい壁の色……
嫌な思い出も、素敵な思い出も、この場所であった
ゴンとキルアとレオリオ、みんながいない今が
なんだか淋しくさえある
それ程に鮮明にあの頃を思いだせる
「ねぇリン、ここを知ってるの?」
『うん……ふふっ』
ヒソカがいない事すら淋しく思えるなんて
リンはクラピカに視線を向けると、クラピカも小さく口の端を上げてこちらを見ていた。
この場所は16年前、リンが初めて受けたハンター試験の最終試験会場だった。
ヒソカにキスをされて
クラピカと初めてキスをして
ゴンを殴って
キルアを追い掛けて
これがクラピカと永遠の別れなんだと
覚悟を決めて手紙を書いて
泣きながら後にした試験会場……
『そうとなれば、試験の方法はもちろん…!』
「これじゃ!」
リンの声を合図に、ネテロがボードにかけた布を捲り取った。
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