ルルの決意
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言葉にして、まるで永い眠りから目覚めたように視界がクリアになった。
ルルを失いたくない
それが今の俺の真実
「大丈夫か?」
「ああ……俺は俺のすべき事を見つけた」
ラタルはありがとうと言ってクラピカに頭を下げた。
クラピカはただ、穏やかに笑んでいた。
ラタルの決意は固かった。
明日、ハンター協会へ出向く
そして会長に土下座しよう
肩入れは決してしない、正当に審査すると誓って
ハンター試験の試験官をさせて貰えるよう頼むんだ
そしてルルと母さんを守る
決して傷付けはしない
―――俺はまだダリアが好きだ
忘れられる日が来るのかなんて正直わからない
ルルに対してこんなに執着してしまったのも
彼女がダリアを失った穴を必死に埋めてくれたから
それだけなのかも知れない
だけど大切なんだ
失いたくないんだ
必要なんだ
護りたい
言葉にできない想いが、今胸を満たしてる
「おい、ラタル」
「ん?」
食べ終わった食器を下げる為にキッチンに向かっていたラタルが振り返る。
「もし勘違いならすまない……試験官を務めようと思っているなら無理だぞ」
「え、何故!?」
見透かされていた驚きと戸惑いに眉をしかめるラタル。
「試験官にはハンター歴が五年以上必要だ。仕事の実績もないと話にならない」
ガチャン
手を摺り抜けて、食器が床に叩きつけられた。
「……本当か……それ……」
やはりか、と、クラピカは小さな溜息。
ラタルはすっかり真っ青だ。
「…大丈夫だ。会長が実はちゃんと落ちる場合にせよ、命の保証はすると王と盟約しているらしい。例外だがな」
「なっっ……なんだそれ……!!」
「いや、試験の結果には影響ないようにはなっている。一応国家を継ぐかも知れない身なのでな」
「なっ……なっ……なんだそれはぁ――――っっ!!(怒)」
ラタルの憤慨して叫ぶ姿を見て、すっかりリンに似てきたなぁと内心思うクラピカだった。
この二日後、ルルは八分の力のリンから一本を取り、いよいよ試験を受ける運びとなった。
年が明け、それぞれの心にもまた新しい風が吹いてきた。
リンにとっては三度目のハンター試験
開幕は目前だ。
~続く~