ルルの決意
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ラタルが人生で初めて作った料理はオムライス。
自身の大好物。
しかし………
「大変な事になった」
自分で作ったくせに自分でガッカリしながら、クラピカの前に皿を出した。
クラピカはちゃんと行儀よく挨拶をしてからオムライスを口に入れた。
ラタルは緊張しながら第一声を待つ。
「…初めてにしては悪くない」
「ほ…本当か?」
「スクランブルエッグを掛けたチキンライスだと思えば。
ん?チキンは入ってないか」
「すまない……そして苦しいフォローありがとう」
苦笑いの後、黙々と二人で食べ進める。
「……で、あれは?」
クラピカが二人の寝姿に視線を向ける。
「二人で5時間も外で試合してたんだ。家に入ってくる頃にはボロボロだった。
てかガクガクだった。主にルルが」
「ああ……試験に向けてか。話は聞いている。姫も受けるそうだな」
「……知ってたのか」
リンの前とは違い、ラタルはクラピカの前では頭を抱え、正直に思いきり困った表情を見せた。
「受かると思うか?父さん……あのルルが」
「さぁ……だが会長は直々に教えたとあって大丈夫だろうとは言っていたが」
「何故そんな呑気なんだ?もし……万が一、彼女に何かあったら……」
俺と共に生きる為にハンターになると言って
もし、それが永遠に潰える事になったら
俺はもう!!
「ラタル」
「……え?」
「心配だな。気持ちはわかるが、余り気にしすぎると仕事に差し支えるぞ」
「心配……」
頭を支える手を下ろし、向かいに座る父を見ると
少し眉を下げながら、見透かすような微笑みを浮かべていた。
「心配……確かに心配だ」
ルルに何かあったら
そう思うだけで、目の前が暗くなる。
ルルがいなくなるなんて考えられない。
とても、怖い―――
そう思い至って、やっと
俺は気付いたんだ
心にずっと渦巻いていた苛々の真実に
俺は怖かったんだ
ルルを失うかもしれない事が
ハンターになる、試験を受ける
そんな事より、その過程でルルを永遠に失ってしまう事になったら
……それが恐ろしくて
ただ、怖くて……
「ルルが死んだら、俺はもしかしたら生きていけないかも知れない……」
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