ルルの決意
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二人のやり取りを黙って見ていたリン。
空いたティーカップをキッチンに下げると、清々しい笑顔で「さーて」と腕を回し始めた。
『そんじゃルルちゃん、庭行こ!私と手合わせしてみようよ!』
「え?」
鼻を啜りながらキョトンとした様子のルル。
『試験まで後2週間、一度でも私に勝てたら一緒に試験を受けに行こう!ダメなら辞退!
それでどう?ラタル』
「……しかし」
「わかったわ!絶対に一本、リンから取ってみせる!」
涙を拭って、ルルは大きく頷いた。
「母さん……まさか勝たせてやるつもりか?」
『それはしないよ!だってルルちゃんの命が懸かってるんだから!……大丈夫、私に任せて』
片目をつぶり、親指を立てていち早くリンは庭へ出て行った。
「……ラタル、ごめんなさい。でも、もし私が試験を受ける事ができてハンターになったら……ラタルの旅に、私も連れて行ってね」
「……………」
「……行ってきます」
ラタルはルルの視線を受け止める事もできず、背中を向けたまま部屋の扉が閉まる音を聞いていた。
――苛々する
何が?
俺は一体、何にこんなに苛々しているんだ
ルルがハンターになるのが嫌なのか?
……違う
俺のせいだと思う事が疎ましい?
……否
なら……
自問自答を繰り返す。
まだ答えは見つからない。
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