走る、君の元
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涙が溢れ出して止まらない
思い出が満天の星より輝いて
胸が痛いよ
こんなにこんなに好きだもの!!
「好き……ラタルくんが好き……」
雨が乾きかけた頬は、温かい涙でまた濡れていく。
「俺もだ」
ダリアは漸くラタルの方を見た。
体ごと真っ直ぐ、向かい合って
暗がりの中、光を映さないその瞳を見つめた。
「ラタルくんを世界で1番愛してる。世界の誰より大切」
永遠に変わらない自信がある
傍にいたい
でも……
貴方はこれからも危険な道を進んでいく
世界を変えて、人を助けて、人を殺してお金を貰う
……傍で見守る覚悟も、赦せる自信もないの
だから…
最初で最後のお願い……
「ハンターを、やめて下さい」
雨が少し、弱まった。
ハッキリとした声が曇りなく耳に届いた。
ダリアとラタルはどちらも目を逸らさずに見つめ合った。
答えを聞く前から
ラタルの表情には迷いひとつなかった。
そう……
わかっていた
ラタルくんは絶対に
「……すまない」
夢を諦めないと
「……うん……ごめんね。できるわけないってわかってるのに」
「……すまない」
「いいの……ちゃんと背中を押せない……私が悪……っ」
後から後から涙が溢れて、言葉まで紡げない。
これが最後になるかもしれないのに
彼の顔すら滲んでしまう。
「雨、止んだね」
声を振り絞ってそう言うと、ダリアはゆっくり店の入口へ行き、シャッターを全開した。
雲の切れ間からは光りの筋が眩しく降りてきて、痛いほどに美しい。
「綺麗……」
「ああ」
二人は並んで空を見上げた。
雲が去り、いつの間にか朝焼けにグラデーションで彩られた青空が広がっていく。
「ダリア……」
ラタルは視線をダリアに下ろした。
そして、強い声で言った。
「俺はダリアが好きだ。この先もずっと、一生、変わらず愛してる」
何があっても一緒にいたい
悪あがきでもいい
放したくない
失いたく、ない――!
「ラタルく……」
真剣な眼差しで、ダリアの肩を掴む手は微かに震えている。
しかし、ダリアはその手を静かに取り、肩から下ろした。
「……頑張って……夢を……叶えて……
私は……私は……」
ああ……きっと私は一生後悔する
ずっとラタルくんを想い続けて泣くんだ
他の誰かを愛する日が来ても
ラタルくんは心の真ん中にずっとずっと
一生住み続けるんだ
それでも、もう傍にはいられない
目の前に続く二人の道が
二つに別れているのが見えた―――
「離れても…応援してる……」
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