走る、君の元
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降りだした雨を凌ぐものがなくて
ラタルは無断でルルを抱き上げ、家路を走った。
抵抗する力も失くしていたルルは大人しく抱かれ、家に着く頃には腕の中で気を失っていた。
まだ母さんは帰っていない
おそらくダリアを連れてくるか…自宅に送ってくるのだろう
「うっ……」
「痛むか!?ルル!」
時折苦しそうに顔を歪めるルル。
ラタルはルルをベットに寝かせ、濡れた服を脱がせて傷を手当てする。
リンのパジャマを着せ、傷に障らぬよう静かに毛布をかけた。
《 思い出すね、クラピカ!あのバンガローで
肩を撃たれた私の傷を手当てしてくれて……》
―――母さん達の大切な思い出
まるで今の俺とルルはその再現だな
「ラタル……」
「!……目、覚めたか?大丈夫か?」
息が荒い。
額に手を置くと、酷い熱だ。
「手当て……してくれたの……?」
「ああ、母さんが帰ってくればまだマシな治療ができるから、少し辛抱してくれるか?医者にも連絡したが時間が遅くてまだ連絡がつかないんだ」
「平気…医者は嫌いなの……」
「ルル……」
脂汗を滲ませ、眉を寄せながら浅い呼吸を繰り返す。
苦しみながら、文句ひとつ言わないルルに懺悔の念が押し寄せる。
「ルル…すまない。俺のせいで…俺を庇う為に……」
ルルの熱い手を両手でしっかり握りしめ、ラタルは何度も謝った。
「すまない…すまない……」
君ではなくダリアを守ろうとした俺を
俺なんかを――――