新たな仕事
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「待ってダリア!」
ルルはラタルの部屋から何とか仕事の資料を見つけて、それを握りしめながらダリアを追った。
「待って!人気のない場所には行かないで、危険だから!」
「人気のない所にその犯人は現れるのね!?」
つまり、そこにラタルくんはいる!!
ダリアはこんな状況下でも冷静に分析し、町外れの暗い路地裏に向かった。
ラタルくん……ラタルくん、どうか無事でいて!
そう一心に願う心が、少しでも早くその場所へ届けてくれたのかも知れない。
1番の歓楽街を過ぎ、狭い路地の奥へと入っていく。
そして
普段は誰も通ろうとしないような取り壊す直前の廃墟の集まり。
そこのど真ん中の広場に、彼はいた。
たった一人、誘うように堂々と佇んでいる。
その恰好は女性そのもの。
見慣れたリンのワンピースを纏い、長い髪を靡かせている。
でも、わかる。
後ろ姿だけで。
その名を呼ぼうと口を開いた時、ラタルがゆっくりこちらを振り返った。
「……ダリア?」
「ラタルくん!」
ダリアがラタルの傍へ行こうと一歩、足を踏み出した。
しかし
「来るな!」
ラタルの声が、犇めき合った建物に響き渡り、ダリアの足を止めた。
「何故……来たんだ…」
明らかに動揺しているラタル。
「ねぇ、帰ろう。こんな危険な事、もうやめてよ」
「いいから帰れ!一刻も早くここから離れろ!」
「もう嫌だよ!ラタルくんと会えないのも、待ち続けるのも!!ハンターなんて…やめてよ……」
「…………!」
立ち尽くし、泣き出すダリア。
―――またダリアが泣いている
いつも泣かせてばかりで
泣かせたくないのに、護りたいのに
ラタルはその涙を拭う為の指を、届かぬその場から延ばし……下ろした。
「……帰れ」
「ラタルくん!」
涙を振り散らしてダリアが叫んだ
その時。
「………女……女だ………」
空から、背筋の凍るような低い声が降って来た。
高いビルの屋上に黒い人影。
ユラリと揺れ、倒れるように身を投げた。
ビルとビルの隙間から差し込む太陽の最後の光りで、その者が手に持っている長い刃物が反射して弧を描いた。
「女……どちらにしようか……女……女!!」
「危ない!!ダリアっ……」
高らかに舞う鮮血
ゆっくりと
エンディングは近づいていたんだ―――――
~続く~