新たな仕事
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「……日が下がって来たわね」
ダリアを寝かせたベットの脇に座り、窓から空を眺めながらポツリとルルが言った。
返事はなく、見るとダリアは眠っている。
コンコン
「……はい」
ノックに返事をすると、リンが静かに扉を開け、部屋に入って来た。
『あれ?ダリアちゃん、寝たの?』
「ええ、今しがた」
『そっか。ちょうどよかったかも……
あのね、たった今ラタルが仕事に出掛けたの。
そんでね、私も夕飯の買い物に行ってくるから。家を空けるけど大丈夫?』
「ええ、大丈夫よ。ダリアが起きたら伝えておくわ」
ダリアと違い、淡々と応答するルル。
リンは気になってルルに尋ねた。
『あのさ、ルルちゃんはラタルの仕事とか…どう思う?』
「え?どうって」
『うん…私さ、親もハンターだったし昔からハンターに対しての偏見とかなかったんだけど……
ダリアちゃんみたく普通に平和に暮らしてきたコから見たら、ハンターってやっぱり受け入れられない存在なのかなって…』
「リン……」
リンの悲しそうな表情を見て、ルルは静かに首を振った。
「私はハンターに対して偏見はないわ。危険も省みず社会や環境に貢献していると聞きます。
ラタルが危険な事をするのは確かに心配でならないわ。
でも私はラタルがハンターなればこそ、彼と出会えたんだもの。ラタルが選ぶ道を応援して、私のできる限りの協力をしてあげたいと思っているの」
正直に、簡潔に、ルルは自分の気持ちをリンに話した。
『……ありがとう。素直に嬉しい。これからもダリアちゃんとラタルをよろしくね』
「任せて!」
リンはルルの微笑みを見つめながら
ああ…たぶんこの娘は一生、無益な嘘などつかないのだろうと思った。
身分云々ではない、魂の美しさを感じた。
『じゃあ、行ってくるね!』
「ええ、いってらっしゃい」
パタンとドアが閉まり、階下で玄関の開閉の音も聞こえた。
家の中にダリアとルルの二人きり。
今頃、ラタルは危険な犯罪者を捕らえる為に奮闘しているのだろうか。
考えるだけで、心は音を立てて軋んだ。
「う…ん……?
あ……私、いつのまにか寝ちゃってた……?」
薄く目を開けたダリアが、緋色に染まり始めていた空を見て慌てたように身を起こした。
「やだ、どれくらい寝てた?」
「2時間位かしら」
「うそ!リンちゃんとラタルくんは?」
「リンは夕飯の買い物に。ラタルは仕事に出掛けたわ」
「仕事……って……」
寝起きの頭に、"A級首"のワードが過ぎった。
「行ったの!?ラタルくん、そんな危険な仕事、しに行ったの!?」
そう問い詰めながらルルに掴みかかって、二人してベットからなだれ落ちた。
「ちょ……ダリア!」
「いや……嫌だよ、ラタルくん!
ルルちゃん、止めに行こ?ラタルくん止めなきゃ、死んじゃうかも知れないんだよ!?」
「……っ……でも……
ラタルはそうして生きる為に今まで…」
「やだよ!絶対にダメ!」
ダリアはルルの制止の手を振り払い、走って家から飛び出した。
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