新たな仕事
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「ダリアが羨ましい」
「なんで?」
あっ…… " なんで " はないよね
私は一応、ラタルくんの……
「ラタルとの未来が約束されていて、羨ましい。ラタルとこの先もずっと一緒にいられるなんて幸せに決まってるもの」
「そんな!ずっと一緒なんて決まってないよ。
何があるかわかんないもん……
一緒にいられたらいいなとは……思うけど……」
「そうなの?私なら絶対放さない。もしラタルに愛してもらえたら何があっても傍にいる。
一生を捧げるわ」
そう話すルルは本当に綺麗な澄んだ瞳だった。
本当に
本当に愛おしそうな瞳でラタルを見つめていた。
何故か敗北感を感じて、そんな自分にダリアはうんざりし始めていた。
「……………ん……」
「あ!起きた?おはよう、ラタル!」
「…………なんでまた二人して……」
「おはよう、ラタルくん。今日から仕事でしょ?」
「…………ああ………おはよう……」
朝が弱いというのは本当らしく、何やら辛そうだ。
しかし仕事というフレーズで何とか起き上がり、寝ぼけた様子で服を脱ぎ始めた。
ルルとダリアは仰天して目を逸らす。
「……なに驚いてんだ。見てもいいけど」
「嫌よ!!」
「……嫌は酷くないか?」
ラタルがクローゼットを漁りながら振り向くと、たまたまダリアと目が合った。
が、慌てて逸らされる。
「……見た事あるくせに」
「!!!」
ラタルがクスリと笑って言うと、ダリアは真っ赤になった顔をルルに悟られぬよう両手で隠した。
『みんな~~ご飯出来たよ~~!!』
リンのド快晴な声に、朝ご飯のいい香り。
豊かな緋燃ゆる秋の一日の始まりだった。
『クラピカ、早く帰って来てね。無事に帰って来てね。無理しないでね。毎日連絡待ってるから』
クラピカを見送るリンは玄関先でいつまでも別れを引っ張っている。
「大丈夫だ、ちゃんと帰ってくる。連絡もする。お前がいるから無理はしない」
『大好きだよ。大好きだから、早く帰って来て』
「お前といい奴は……毎度毎度泣くな。少しは私を信じろ」
『信じてる。ただ、会えないのが怖いだけ』
クラピカは涙を流すリンを胸に抱き、何度も頭を撫でてやった。
ラタルはそんな二人をよそに仕事の資料に目を通している。
「ねぇラタルくん、クラピカさんはそんな危ない仕事に行くの?」
「ああ、気にするな。あれはいつもだから。大体ハンターの仕事は安全な方が少ないしな」
ラタルは資料から目を離さず、背中で返答した。
「そうなの!?」
ダリアのショックを受けて振り返るラタルは意外そうに目を丸くしている。
「…知らなかった?」
「だって!ラタルくんは!?ラタルくんも危険な事するの!?」
不安な気持ちを全面に出してダリアが詰め寄ると、ラタルは笑って資料の紙をピラピラと振って見せた。
「これ、A級首犯罪者の情報。俺が今から捕まえに行く奴。協会から依頼された、これが俺の仕事だ」
そう言ったラタルの笑顔に、目の前が真っ暗になった。
当たり前のような声がまるで異質に感じ、クラクラと視界が揺れた。
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