屋根の上
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「ダリア!こんな時間に一人で来たのか!?」
ゼーゼーと息を切らせてダリアはコクコクと頷く。
「大丈夫か?何故……この町には今、殺人鬼が潜伏しているんだ!もう二度とこんな真似…」
「ラタルくん!」
ラタルの言葉を途中で遮り、ダリアは強い眼差しを向けた。
「どうした?」
「私、ラタルくんが好き!」
「え……」
いや、俺もだが
何故そんな恐い顔で言うんだ?
「それでね、やっぱり何があってもラタルくんと一緒にいたいし、誰にも渡したくないの。
ルルちゃんと一緒に暮らすのも本当は嫌。
メールしても電話しても、隣にルルちゃんがいるかと思うと悲しくなる…
だからね、私も……私も今日からここにお世話にならせて下さい!」
「ええっ!?」
ガバッと頭を直角に下げ、ダリアは「お願いします!」と懇願した。
「本気か?ご両親は?」
「私が貯めてたお小遣でエイジアン旅行をプレゼントしたの。一週間は帰って来ない」
「……結構貯めてたんだな……」
「だから一週間だけ!掃除も洗濯もお料理も、何でもします!どうかどうか、お願いします!!」
「しかし、ご両親はダリアを信用して置いて行ったんだろう?そんな軽薄な事は……」
『大丈夫!私からご両親に連絡するから!!』
……………………………………………。
「「わぁっっ!!」」
ダリアとラタルは一拍置いてから驚愕の声をあげた。
「母さん!いつからそこに!!」
『固い事は気にしない!さ、ダリアちゃんのご両親に私から連絡するよ!私は友達だもん、問題ないでしょ?』
リンの言葉にダリアとラタルは顔を見合わせる。
「……いいのか?嘘ではないが真実ではない」
「うん……でも、やっぱり私はラタルくんの側にいたい。リンちゃんやクラピカさんも許してくれるなら……」
遠慮がちにリンを見ると、相変わらず揺らがない笑顔。
『恋愛はフェアにいこうよ!それにダリアちゃんが来てくれたらルルちゃんも喜ぶに決まってるもん!』
「……だな」
ラタルは小さく溜め息を吐くと、ダリアの手を取った。
「ルルと相部屋になるが、大丈夫か?あいつは夜光性だ。かなり煩いぞ」
「うん、大丈夫!」
安堵の笑顔にほんの少し、涙が滲んでいた。
こうしてルルとダリアの居候生活が始まり、ハンターとして実質初めての仕事がやって来た。
明日はまだ見えない。
平坦でない事だけは確かだと思う。
~続く~