屋根の上
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ルルはそのままラタルの腕の中で静かに目を閉じた。
夜の空気は凄く心地良い。
南の祖国ではない清涼感。
心から自由の素晴らしさと幸せを感じた。
「……風が出て来たな」
「ええ、気持ちがいい」
「寒くないか?」
「大丈夫よ」
ラタルの腕は本当に温かい。
そしてラタルは
いつもより優しくて……
涙が出そうになる
でも、それを留める
「……明日はダリアに会える?」
「約束はしていないが……家に行けば会えるはずだ」
「そう……私も一緒に行っていい?」
「友達なんだろう?一人で行ってこい」
「ダリアはラタルにも会いたいはずよ」
「…………」
お前がいたら会いにくい
口には出せないがな
おそらくダリアも感じている
罪悪感―――――
「ね?行きましょう?」
少し強引に詰め寄られ、仕方なく頷こうとしたその時、
ピーンと気配を感じてラタルは空いた酒瓶を裏手の森へ向かって高らかに投げた。
「きゃっ、何!?」
「しっ!」
人差し指を唇に宛て、ラタルが静止を命じる。
なに!?何なの!?
森に誰かいたの!?
怖い!
酔いが覚める!!
「またこんなところにいたのか」
「!きゃああああっ!!!」
突然の声にルルは盛大な叫びを上げて飛び上がった。
そしてラタルにしがみつき、押し倒した。
「痛っ…何やってんだ!」
「そ、そんなに驚かせてしまいましたか?」
ラタルと同じ声。
「え……………?」
声のする方を振り返ると、天窓からクラピカが半身を覗かせていた。
「お父様!!!」
「おとっ…(初めて呼ばれるな…)
大丈夫ですか?姫までこんなところへ登っては危険ですよ」
「は、はい…」
え、何?ラタルはお父様が来るのを察知したというの!?
なら何故森に…
あ…!
お酒の瓶を隠しただけ?
…そういう事なのね…(笑)
「父さんがこんな時間に珍しいな。何か用だろう?」
「ああ、協会からまたお前に仕事の依頼だ。
請ける請けないはお前が決めていい」
「仕事?また変なやつじゃないだろうな?女装はもう二度とお断りだぞ」
「いや…今回はこの町に潜伏していると見られるA級首の捕獲だ」
「!!」
ブラックリストの仕事!
ドクッと心臓が波打った。
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