屋根の上
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ラタルの一刀両断も一切気にせず、ルルはニコニコしながらラタルの後を追って二階へと上がって来た。
「着いてくるな」
「あら、私はラタルと同じ部屋ではないの?」
「んなワケあるかっ!」
「私は別に構わないのに…」
「俺はごめんだ」
「ダリアとならいいの?」
部屋のドアノブに手をかける寸での質問。
瞬間、手が止まる。
「……どんな答えがご希望だ?」
「……わかっているくせに」
「その答えを貰えないと知っていて、お前はここに来たんだろう?ふざけた質問をするな」
「……ごめん……なさい……」
「~~~泣くな」
ルルの瞳にジンワリと涙が溜まっていく。
ラタルは長い長い溜め息を吐く。
そして気だるそうにルルの頭に手を置いた。
「すまない。言い方がきつかった」
「ラタルが好き、大好き。好きになって…ごめんなさい…」
―――ダリアに会いたい…
やっと会えたと思ったら、何も話せぬまま見送り
今この手が触れているのは違う女女性
何もかもが腹立たしい―――
「あ、ルルちゃん!空き部屋があるから案内するね!あと服とか生活用具で足りない物とかあったら言ってね!シャワーは一階でトイレは一階と二階に二つ、あ、あっちの庭にね、ラタルの為に作った遊具もあるんだよ!後ね、あっちの部屋には」
「ま、待ってリン、早い、早いわ!」
突如現れたリン、ルルにパジャマと洗面セットを手渡し、部屋を教えた後にそのまま屋敷案内へとルルを連れ去ってしまった。
一応、強引ながらも気を利かせたつもりのリンだったが
去り際のウインクも、ラタルには見逃されていた。
一人、部屋に入りベットに横になるラタル。
なんだか……これ程ホッとするのは久しぶりだな
疲れた
とにかく疲れた……
そして誘われるままに深い眠りに落ちていった。
「ねぇリン、料理…教えて欲しいの」
『うん、いいよ!私でよければ!じゃあ今日は何作ろっか?』
この申し出を予想していたリンは、用意していたルルの分のエプロンを手渡した。
「ラタルの好きな物がいい。ラタルは何が好きかしら?」
『んー、何でも食べるよ!あ、レーズンは嫌い!野菜沢山使った料理とか好きかな?
オムライスとかハンバーグとかカレーとかシチューとか、そのへんは全部好きだし!じゃあ初心者ならシチューいこっか?』
「ええ!」
張り切った返事を返し、ルルはエプロンと三角巾を着けてもらった。
(着け方がわからなかった)
『さ、まずは冷蔵庫から野菜と、小麦粉とバターと牛乳を用意して』
「コムギコって何かしら?」
『…………嘘でしょ?』
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