屋根の上
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
空港へ降り立つと、ルルの父親である国王から連絡がいったらしく、ハンター教会からの使者達がゲートで盛大に出迎えた。
彼らのリムジンに全員強制的に乗せられ、ダリアとラタルは二人きりになる間もなく離れる事になった。
「ではまた明日ね、ダリア!」
ルルはダリアの胸中など全く気付かず、車内から何の疑いもなく手を振った。
ダリアも無理に口の端を上げて笑みを見せた。
ルルはこのまま、ラタルの家に行く。
そこで毎日をラタルと過ごす。
リンを母と呼び、ラタルに尽くし、まるで家族のように。
「また…ね」
弱々しく手を振り返し、去るリムジンを見送った。
窓から身を乗り出すルルの姿に隠れ、ラタルの表情は見えなかった。
『ただいまクラピカー!!』
「お帰り」
家に着くと、クラピカの姿を確認するなりリンは力の加減も忘れて抱き着いた。
『ごめんね、急に家空けて』
「いつもの事だ、気にするな」
少し厭味を含む。
だけど他の目も全く気にせず抱きしめ合っている。
「おい…こちら紹介してもいいのか?」
痺れを切らせたラタルが口を挟む。
『あ!!そうなの!!このコ、今日から家に住むルル王女!』
「お初にお目にかかります、ラタルの友達のルルと申します。どうぞルルと呼んで下さい」
長いスカートの裾を広げて腰を屈め、頭を下げるルル。
「話は聞いています。王室の暮らしとは全てが違うから大変だとは思うが楽にして下さい」
クラピカがそう言って微笑むと、ルルはポッと頬を赤らめた。
「ら、ラタルラタル、お父様よね!?す、素敵ね!ラタルにそっくりだわ!!」
大はしゃぎで隣のラタルに耳打ちする。
『ああっ!ダメだよ、ルルちゃん!!クラピカは私のものなんだからね!』
バッチリ聞こえていたリンが慌ててクラピカの腕にしがみつく。
「あ、そんな!大丈夫ですお母様!!私はこれでもラタル一筋ですから!」
『ほんと!?絶対だよ!?てゆーかお母様はやめて、なんか気分が老けるからリンって呼んで!』
「わかったわ、リン」
『き、切り替え早!!でもオッケー!私とも友達ね!』
「きゃあ本当!?嬉しいっ!!ラタル、また友達が増えたわ!!」
嬉しそうに跳び上がってラタルを振り返ると、スタスタと既に部屋へ向かう後ろ姿が。
「待って、私も行くわ!」
パタパタと急いで着いていくルル。
追い付いて表情を覗くと、何だかとても不機嫌そう。
「どうしたの?ラタル…怒っているの?」
「別に。それよりお前、本当に男嫌いだったのか?いくら俺に似ているとはいえ、父さんも大丈夫だったではないか」
眉をしかめながら視線もくれずに言い放つラタル。
「それ、ヤキモチ?」
その言葉にピタリと足を止め、ラタルはやっとルルと視線を合わせた。
「誰が!!(怒)」
・