屋根の上
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行きは船だった。
緩やかな海風を浴びながら
ハンターとして請け負った初めての任務を
しっかり全うしようと意気込んでいた自分
今考えると憐れでならない。
「きゃあああっ!!空よ!空を飛んでるわ、ラタル!!」
「飛行機だから当然です」
「初めてなのよ!飛行機初めてなの!!」
「……おめでとうございます」
隣の席を陣取り、窓にへばりついて騒ぎ立てているこの女性は、なんと南の国の王女様。
この度、王から勉強という名目を戴き、祖国を離れてラタル達
の国へ来る事になったのだ。
「ねぇラタル!着いたら私、お母様にお料理を習う!そしてラタルに体にいい物を作ってあげるわ!」
頬を染めて満面の笑顔でこちらを振り向くルル王女。
体にいい物。
それは二人、同じ部屋で過ごす初めての夜に交わした会話の中でラタルが言った"好きなもの"のひとつ。
「覚えていてくれたのか」
「もちろん!」
ルルは大好きなラタルが少し笑みを零すだけで嬉しそうだった。
その前の席に座っていたダリアは会話に入る事もできず、ただ口を閉ざしていた。
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