一触即発?
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「一緒にいたいって、どうするつもりだ!」
「それはわからないけど……頭ごなしに拒否なんて……ルル様の事、少しは……知ってあげた方が……」
違う、本音と違う、こんなの!
でも、これじゃルル様があんまり可哀相
きっと頭なんて下げた事なかったでしょうに
そこまでラタルくんが好きなのよ!
「私も……私もダリアの事、もっと知りたい」
声もなく泣き腫らした目はウサギのように真っ赤で、それでも高貴な美しさ。
「勝手にしろ!ルルの男性嫌いは治ったんだ。俺の仕事は終わった。俺は帰る!」
「ラタルくん!」
「ラタル……」
なんとも冷たいその態度に、ルルだけではなくダリアも愕然とする。
そこで、ついに沈黙を守っていたあの人の出番。
『じゃあルル姫様も一緒に私達の国にいらっしゃいよ!!』
元気で人懐っこい最高の笑顔で、ルル以上に素敵な提案を発表。
一同の視線がそこに集中する。
「また余計な事を言う!そんな事できるわけないだろう!」
『なんで?城入りが無理ならうちに嫁いでもいいってさっき。
だから遊びに来るくらい』
「王が許すはずない!」
バターン!!
「いや、私は許す!!ルルの為なら涙くらい何リットルでも飲み干して堪えてやろうではないかっ!!!」
ノックもなしの突然の出現にルル以外みんな吹っ飛ぶほど驚いた。
「ぬ、盗み聞きですか、王……」
つーか気配なかったんだけど
まさか絶遣ってた……?(汗)
「ラタルが私の可愛い娘の男性嫌いを治してくれたお陰で私はルルを手放さずに済む!
仮に嫁いでもあの国以外ならいつでも会える。
だからルルが望むならラタルと共に連れて行ってやって欲しい!」
さすが王は頭こそ下げぬものの、その威厳だけで逆らえない勢いがある。
リンの手をしかと握り、ルルを頼むとしつこくせがんでいた。
「じゃ、じゃあ……私、ラタルの国に行っていいの?ダリアとも側にいられるの?」
「……よかったですね、ルル様」
ダリアが微笑むと、ルルはギュッと無邪気に抱き着いてきた。
「ありがとう、ダリア!ありがとう!!」
王、王女、恋人、母親……
全員が笑っている平和で感動的なこの部屋で
ラタルだけが地の底まで落ちたように沈んでいた。
なぜ
なにがどう転んだらこうなる!?
どこで間違えた!?
ああ………
面倒臭い事極まりない!!(怒)
だけど………
「ルル」
ラタルはダリアにしがみついているルルの頭にそっと手を乗せた。
「ラタル……?」
約束したな
最初に二人で過ごした夜に
俺の国を
景色を必ず見せてやると
「約束、果たせるな」
「……ええ……ええ、ラタル!」
どうしたって憎みようのない、子供よりも純粋な笑顔は
ラタルの笑顔もまた誘う。
ダリアの心の波風だけは高く高くなっていった。
王女が、俺達の国にやって来る。
~続く~