一触即発?
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そんな女三人の対談(?)する客間とは少し離れた王の部屋で、ラタルは軟禁されていた。
「どーゆー事ですかっ!!!早く俺を二人の元へ行かせて下さい!!」
何故かマットに寝かせられ、侍女達に体をマッサージされている。
一体何のつもりだ!
「まぁまぁ、落ち着けラタル。私専属のエステティシャンだ。たまにはゆっくり体を休めるがいい」
「休まるわけないでしょう!とにかく部屋から出して下さい!行かねば誤解されるっ!」
「大丈夫だ、ルルに任せておけ、息子よ」
「誰が息子ですかっ!!(怒)」
クワッと噛みつくように王に怒鳴りかかるラタル。
侍女達もびっくりだ。
「おかしいなぁ、このアロマの香りにはリラックスの効果があると聞いたが…ラタルには効かぬようだ」
「本人が落ち着く気がないのだから当然です!!」
もういい、と侍女達を振り払い、ラタルは起き上がった。
「行くのは許さんぞ。ルルが戻ってからだ」
王の低い声が、部屋の空気の温度を下げる。
「お願いします。許可を頂けないなら勝手に行くまでです」
「部屋の外には衛兵がいる。どうせ行けやしない」
「倒せたら行っていいですね?」
「ラタルよっ!!」
座っていた椅子からガタンと勢いよく立ち上がり、王が叫んだ。
こんなに自分に逆らう者は初めてだ。
腹立たしいが次期王としての資質は見込める器と見える。
ワナワナと拳を震わせながらも、ラタルの威風堂々さに喜んでいる自分もいた。
ラタルは凜とした瞳で振り返ると、口角をやわりと上げた。
「行きます。私の愛する人をもし泣かせるような事があれば、私はこの国を滅ぼさなくてはならなくなりますから。
そんなの面倒でしょう?」
「………!!」
ハッタリでも驕りでもない。
自信と余裕の光が見えた。
それ以上ラタルを止める事叶わず
出て行ったドアの向こうで、薙ぎ倒される鈍い音と衛兵の悲鳴が聞こえた。
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