一触即発?
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
リンとダリアが座る向かいのソファーにルルも腰掛けた。
お茶のおかわりとお菓子の追加にやってきた侍女も去り、物音のしなくなった部屋に長い沈黙が続いた。
……いたたまれない
リンがそわそわしながらルルとダリアをチラチラと見る。
『あの、ルル…姫様、ラタルは……?』
「ラタルは別室でまだ執務中です。少しお待ちになっていて下さい」
『はぁ…』
妻になるという件は一体?
聞きたいが切り出し方がわからない。
隣のダリアの心中、いかほどだろうか?
リンはダリアに対してすごく申し訳ない気持ちになった。
「あの、ルル様」
突然、ダリアが口を開いた。
ルルは少し不意をつかれた表情。
しかし冷静に返事をする。
「何かしら?」
「さっきのお話、ラタルくんとルル様が結婚されるという事でしょうか?」
躊躇うリンをよそに、果敢に問うダリア。
「ええ、そうよ」
「それはラタルくんも望んでいるのですか?」
「いいえ。好きな人がいると言われたわ。でも私は絶対にラタルの妻になるもの。嘘はついてないわ」
「それはつまり、強引に?」
「そんな事はしないわ。ちゃんと私を好きになってもらうもの。だから貴女はラタルを諦めて下さい。ラタルはこの国の王になるのだから」
ゴフッ
リンがちょうど口に運んでいだお茶を噴いた。
『ゲホゲホッ!!ゴホッ!!
お、王!?誰が!?ラタルが!?うちの息子がっ!??』
鳩が豆鉄砲どころではない。
どこのシンデレラストーリーか!
リンは咳込みながら涙目でオロオロと挙動不審に陥っている。
「王って!例えルル様と結婚したとしても、ラタルくんはそんな地位を望むような人じゃありません!」
「やっぱりそうなの?じゃあ私が王女の地位を捨てて平民の家に嫁ぐわ。文句ないでしょう?」
「文句ならあります!私はラタルくんと真剣に付き合っています!とても彼が好きです!
だから貴女にお渡しする事はできません!」
『だ、ダリアちゃん……』
ムッと不機嫌な顔になるルルに、ダリアは構う事なく必死で対抗した。
さっきまで、この部屋でラタルを待ちながら震えていたダリア。
そんな彼女がラタルの為ならこんなに強くなるなんて。
.