面会人
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その頃、城内の一角にあるエキゾチックで豪華な客間に待つ二人の女。
「き……緊張する……」
『そ、そうだね……でも大丈夫!私がいるんだから!ちゃんとダリアちゃん守ってあげるからねっ!』
「え、誰から?何から?(汗)」
『緊張から!』
堂々と自信たっぷりに答えるのは、ラタルの母親であるリン、その人だ。
「ぷっ……リンちゃんたら……」
既に守れてないよ(笑) なんてね。
綺麗に着飾った美しい侍女達が用意してくれたケーキとお茶。
深呼吸をしてからそのティーカップを手に取る時、カタカタと小刻みに震える音が響いた。
『ダリアちゃん……だ、大丈夫?』
そんなに緊張してんの!?
リンは少し焦りながらダリアの顔を覗き込んだ。
「リンちゃん……私、ラタルくんに呆られちゃわないかな?一生懸命仕事してるのに……こんな所まで押しかけて………嫌われないかな……?」
『ダリアちゃん……』
ラタルの事をそんなに想ってくれてるんだ……
ラタルは幸せ者だなぁ
不安になったり、気持ちが見えなくなったり
私も現役恋する乙女ですから!
……わかるよ、ダリアちゃん
リンはそっとダリアの震える手に自分の手を重ねると、安心させるように微笑んだ。
『大丈夫、ラタルはクラピカに似て誠実だから。そんで私に似て一途だから。きっとラタルも喜んでくれるよ。』
「リンちゃん……ありがとう……」
ダリアは瞳を滲ませながら嬉しそうに笑みを見せた。
そして客間に通されてから30分が経とうという時
ようやく廊下に一つの足音が近付いて来るのが聞こえた。
コンコン
『どーぞ!!』
愛しい息子だと思い、元気一杯に返事をするリン。
「失礼するわ」
『…………ん?』
聞こえて来たのは若い女の子の声。
不思議に思い、リンはダリアと顔を見合わせる。
しかし考える間もなく、そっと扉は開かれた。
現れたのは色とりどりの宝石に身を包んだ、灰色の長い髪の美少女。
オーラ溢れる上品な佇まいに、リンとダリアは思わず見とれてしまう。
『……あ、あの…どちら様?』
リンが首を傾げながら暢気に尋ねると、少女はニッコリと笑顔を浮かべて答えた。
「私はルル=シルビーヌ。ラタルの妻になる者です」
輝くような不敵な瞳。
硬直するリンとダリア。
女の戦いが、今始まる―――!?
~続く~