面会人
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これは……夢か……?
ははは……王族の冗談にはついていけない……
「でもお父様、お姉様達の旦那様は?」
「うちの娘はみな美人だからな、隣国から欲しいとねだられて大変だったんだ。
男が生まれなかったから誰の婿に継いでもらおうかと思っていたら……まさかルルの婿が……
ううう、嬉しい限りだ」
「お父様~~~!!」
目の前で繰り広げられる感動の親子劇。
本気か?いや、まさか
いやいやいや
ない。あるわけない
「そうと決まればネテロに連絡をせねばな!
そうだ、ラタルの親御殿にも!」
「でもラタルの両親が婿に出すのは駄目だと言ったらどうしましょう?」
「なに、親御殿も城に入ってもらえばよい。皆で一緒に暮らすのだ」
「それはいいわね!」
――――ブチッ
何かが、頭の中で切れた。
「――いい加減にして下さいっっ!!私は城になど入りません!王になるつもりは更々ない!!勝手に話を進めるのは止めて下さい!」
額に青筋を立て、ラタルは最大限にドスをきかせた声で怒鳴り散らした。
一瞬にして緊迫ムード。
「……じゃ、じゃあ私がラタルの家にお嫁に行けばいいの?」
「俺はルルと結婚はしない!」
「嫌よ!私はラタルが好きだもの。ラタルじゃなきゃ嫌だもの!」
「俺の好きな人は他にいる。結婚したいと思うのもその人だけだ」
話がここまでに及んだら仕方ない。
ラタルは王と家臣の前ではっきりルルとの縁談を断った。
「……誰なの?ラタルの好きな人……
その人も、ラタルが好きなの……?」
見るからにショックを受けた様子のルルに、申し訳ないと思いながらもラタルは静かに口を開いた。
肯定の言葉を出す為に。
しかし………
「お取り込み中、申し訳ありません」
執事らしき者が王の傍へやって来て、コソリと耳打ちした。
少しの間ができる。
執事の話を聞き終えると、何故か王は晴れやかな表情で「そうかそうか」と頷いた。
「ラタルよ、お前に面会の申し出だ」
「………え?」
そう
まさかの彼女がやってきた。
俺の予想の候補に名前も上がらないくらいの、
まさかの。
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