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全く、頭の片隅にも予想していなかったルルの大宣言。
流石の王もラタルも、ポカーンと呆けて固まった。
「聞いている?ラタルと結婚すると言ったの!
ラタルのご両親が許してくれるならラタルをこの城に招き入れたいわ。
それが無理なら私がラタルの家に嫁ぎます。いいわよね、お父様?」
今しがた自分の手元に舞い戻ってきた愛しい娘が唐突に持ち込んだ縁談に、王はクラクラと眩暈を起こしてお付きの者達に支えられた。
「る、ルル……何故いきなり話がそこまで飛躍するのだ…?」
「あら、ラタルは私と同じ気持ちよ?私を好きだと言ったわ。ねぇ?ラタル」
「え……ええっ!?好きって……友達だと言ったあの言葉ですか!? 私は」
「あら、好きならいいじゃない。私、ラタルと結婚が許されないならこのまま養女に行くわ。
ラタル以外の男性なんて考えられないもの」
ルルの勝手な我が儘に、その場が凍る。
返す言葉が見当たらない
何故、そうなる!?
全くもって流れがわからない
このままルルの言いなりになる気は更々ないが、親や家臣の前で恥をかかせるわけにもいかない
「……ルル、とにかく部屋に戻ろう。ゆっくり話をしよう」
「いいわよ。でも今ここでちゃんと決めてからね」
「まずは俺と二人で話をしてからだ」
「嫌よ」
「ルル!」
ふんぎぎぎぎ……
部屋へ連行しようとルルの腕を引っ張るラタル、意地でも行くまいと柱にしがみつくルル。
二人を眺めながら青い顔でしばらく黙っていた王は、グッと拳を握りしめ、何ぞや決意したように声を張り上げた。
「ルル!!ラタル!!」
「「はっはいっ!!」」
思わず揃って返事をする二人。
さすが、いざとなると王の威厳は凄まじい。
「私は決めたぞ!!ラタルをこの国の次期王に任命するっ!!」
…………………………………………………………………。
………は………………?
………何?
今、なんと………???
「あ……あの……王様……」
「本当に!?ありがとう、お父様ー!!!愛してるわっ!!」
恐る恐る辛うじて振り搾られたラタルの言葉を遮り、ルルは甲高い声で喜びを叫んだ。
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