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「お父様、私は文句を言いに来たのではありません。私は……そこまでお父様達が私を想って下さっていたなんて……」
ルルは父の膝元に崩れ落ち、涙を流して縋り付いた。
「ルル……」
「私はいてもいなくてもいい存在なのだと思っていました……むしろ厄介者だとばかり……
私は……お父様の気持ちを……」
身を屈めると床まで着いてしまうほどに長く伸びたルルの髪をぼんやり見つめながら、ラタルは漸く開放されるのだと心から安心しきっていた。
当初に聞いたルルは父に触れる事すらできなかったという。
それがどうだ。
今はしっかりと手を握り合い、愛情を確かめ合っているではないか。
「ありがとう、ラタル。お前のお蔭でルルとまたこうして親子の触れ合いを持つ事ができた」
不意に王から声をかけられハッとするまで、ラタルの思考を埋めていたのはダリアだった。
「いえ、そんな……私は何も……」
答えながら、もう何日も連絡を取れずにいたダリアに対しての " 会いたい " や " 不安 " だけが心を占めていた。
「ラタルが男だと知っても平気だったの!怖いとか、気持ち悪いだとか、そんな感情は一切湧かなかったわ!
それよりも……私、今はラタルが男で嬉しいとすら思っているのよ!」
ルルはキラキラと輝く瞳でラタルを見つめ、嬉しそうに笑った。
……何やら嫌な予感。
思わず身構えるラタル。
「でね、お父様!私のお願い聞いて欲しいの!」
「おお、なんだ?何でも言ってみよ。ルルの願いなら何でも叶えてやるぞ」
最高に機嫌よさ気な王は、ルルの頭を撫でながら尋ね返した。
「私、ラタルと結婚するわ!ラタルの妻になる!」
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