夜
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メールも着信も留守録も、その殆どが旅に出た初期あたりのもので
いなくなった自分と連絡を取ろうとした両親やゴンやキルア、そしてレオリオやグレスからのものまであった。
ネテロ会長や、シークも…
そして
一通だけ
fromダリア
" 今日、ラタルくんの好きだったミステリーのシリーズ最新刊が出たよ。
忙しいラタルくんだから、もし知らなかったらと思ってお知らせまで…
どこにいても、元気でいてね。私は元気です "
ーーーー深く、深く、想ってもらっている。
こんなにたくさんの人に。
自分が愛している人達に。
たくさんのメールの中には、愛故に厳しい言葉や罵倒に近い文言まで並んでいるけれど。
自分がいない間の、自分に宛てられたメッセージは、まるで心の籠ったアルバムのようで
一生の宝物だと思った。
そして
何気なく開いた画像フォルダの中に
「…!…これは……」
日付は五年前
背景からして自宅のラタルの部屋
ベッドで熟睡するラタルの寝顔が納められていた。
その写真は、今まで見た自分のどの写真よりも、何故かとても温かくて
撮影した人物の深い真心と愛情を感じて
切なさで胸がいっぱいになった。
「……俺の写真なんかじゃなくて、君の写真が欲しかったのに……
……1枚も、持っていないんだぞ…、」
ルルが残すものはいつも、ラタルだった。
ラタルの幸せを願い続けた、今はもう、世界に溶けてしまった女の子。
「一生…大切にする。ありがとう、ルル…」
携帯を胸に押し当てて
彼女を想うと、いつまでもいつまでも枯れない涙。
それに抗う事なく、深く穏やかな夜に、一人身を委ねるラタルだったーーーー
〜続く〜
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