夜
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その後はリンも泣き疲れたと言って部屋に戻り、旅の事を詳しく話す事はなかった。
ルルと会えた事や、シークとの約束などは、またの機会に話す事にした。
午前4時半。
5年前と少しも変わらない自室から屋根に登り、懐かしい景色を眺めながら
相変わらず大好きなテキーラをストレートで飲む。
旅疲れや飲み疲れ、帰ってきた安心感
すぐに寝てしまうのが普通なのに、ラタルは自分でも不思議な位、いつまでも爛々と冴えていた。
『ラタル……まだ起きてたの?』
ベランダから聞こえたのはリンの声。
眠そうに目を擦りながらこちらを見上げている。
「母さんこそまだ起きてたのか」
『うん……眠りかけてたんだけど、コレ……早く返しとかなきゃって思って』
ヒラヒラと振る手に握られているのは、5年前に置き去りにしたラタルの携帯電話。
「まだ持ってたのか?」
『当たり前じゃん!電源だって切った事ないんだよ?
置いてってからも何回かメールや着信来てたし……でも誰からかは見たりしてないからね』
「別に見られて困る事はないが……」
屋根の上から指をチョイチョイとこまねき、「投げて」の仕種をすると、
リンは恐る恐る弓なりに投げて渡した。
『誰かわかんないけど、繋がる人には今からでも返事返してあげないと』
「ああ、ありがとう」
『じゃ、今度こそおやすみなさい』
リンはラタルの笑顔のおやすみを見届けると、大あくびをしながらフラフラと部屋に戻って行った。
「さてと」
携帯なんて触るのも久しぶりだ。
開いてみると、懐かしい待受画面は初期設定の海と空。
を、隠すように知らせている文字。
"着信あり18件"
"留守録あり10件"
"メール受信89件"
「……うわ~……」
デジャヴュ
昔、よく黙って遊びに出かけて数日帰らなかったらすぐこんな状態になってたっけ
母さんのせいで(母さんの方が多かったけど)
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