夜
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俺が無意識に悲しい顔でもしていたのだろうか
ただ「俺の旅の連れが、クロロ・ルシルフルだったって事も?」と言った事に対しての、この反応だ
話は何も進んでいない
なのに何故、母さんはもうクロロがいないかも知れないと思ったのだろうか
――――これが……
二人にしか解らない、不思議な絆なのかも知れない………
「……クロロは……」
『夢に出てきたんだ』
憂鬱そうに紡がれようとしていたそれを、リンは確信的に遮った。
『……こないだ……夢に出てきたの。
すごい……眩しい光の中で……クロロが笑ってて……』
何かを堪えるように、リンはギュッと目を閉じ、拳を握った。
『……会えてよかったって……お前に会えて、本当によかったって……
ずっと幸せに……って……』
ラタルに顔を見せないように俯くが、ポタリとテーブルに落ちたそれが無意味にさせてしまう。
向かいに座っていたラタルは黙って席を立ち、傍に来てリンを抱きしめた。
クロロの見た幻は母さんだったのだろうか
……今はもう確かめようもない事だけど
……幸せな幻を見ていたならいいな……
「クロロはずっと母さんの事を好きだった。
きっと最後の最後まで、そうやって母さんの幸せを願っていたよ」
『ふ……う…っ…』
嗚咽で震えるリンの体を殊更強く抱きしめ
ラタルの頬にも涙が伝う。
悲しみを共有し合って、彼の事を想う夜。
今日だけ
今夜だけは
世界中の他の誰でもなく、クロロの為だけに―――――
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