森の中で
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昔、私は突然に人質となった
数人の大男たちに誘拐され、一ヶ月も監禁されていた
毎日震えるほど怖かったけど、1番恐怖を感じたのは
一人の男が酔った勢いで……
ああ、思い出すだけで身震いする
あの時は仲間の男がそいつを止めたから辱めを受けずに済んだけど……
そう、男は恐い
恐い、恐い、恐い!
あの時の毛深い大きな腕に掴まれた感触が忘れられない!!
「ラタルが男ならですって?馬鹿な事言わないで!ラタルは女だからこんなに繊細で美しいのよ!!
男になんか変換したらラタルだってあの者達のように大きくて太くて毛深くなってしまうのよ!
そんなのは嫌よ!!ラタルは女だから素敵なの!!」
気付けば大声で叫び散らしていた。
あの記憶を振り切るように、激しく首を振りながら。
「…………ルル……」
ラタルは肩で息をするルルの頭を撫でて落ち着かせる。
そして小さく溜息をついた。
なるほどな……
それならここで俺が男だと明かしても大丈夫なのか
しかし、それでは根本的な男性嫌いは治らない
明かす事が果たして先に繋がる糧となるか
なんせ城で顔を合わせる衛兵は皆、ルルが嫌いな大男である事に変わりはないのだから……
「ルル、私は男だ」
ラタルは穏やかな声で、真っ直ぐにルルの目を見て告白した。
言うしかなかった。
腹では水を含んだ沢山のパットが揺れている。
「……何、言ってるのよ……そんなはず、ないじゃない……」
予想、0ではなかった。
ラタルは最初から真剣だった。
でも、余りに馬鹿な予想だと思って……
だから……まさか……
「嘘じゃない。私は……俺は男だ」
握っていたルルの手を静かに自分の胸に宛てるラタル。
下着とパットが抜け落ちて平らになった胸板に、ルルがビクッと体を揺らした。
「………なんで……?
なんで?女の子だって……言ったじゃな……」
「……すまない。でも、他には何ひとつ嘘などない。後は……君の好きにしてくれて構わない」
思わぬ流れで打ち明ける事になってしまった。
しかし、ラタルに後悔はなかった。
どの道、傷付ける。
早い方が良かったのだ。
そして、この後の対応で全てが決まると思った。
「本当……なの……?」
目に涙を一杯溜めて、ルルは声を搾り出し、問うた。
「俺はラタル。
ルル、君の友達だ」
ルルの目に映るそれは、女だった先程までと何ひとつ変わらぬ綺麗な笑顔。
~続く~