緋色の空
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来た時と同じ、海の上で一夜を過ごす宿泊船。
最終便に何とか間に合ったが、着くのは昼過ぎになるだろうか。
「おいラタル!飲もうぜ!」
売店で買った酒を山程抱えて、シークは甲板に走って来た。
「ナーリンは?」
「二人で話してこいってさ!」
「遠慮してるのか?呼んでくる」
「まぁまぁ、こんな風に男二人もいいじゃねーか!ラタルとは初めてだぜ?こんなん」
「ああ……?そういえばそうかな」
「ほら、乾杯!!」
栓を開けた瓶ビールをラタルに渡し、自らのそれとカチ合わせる。
そして示し合わせたように、同時にグイッと喉に流し込んだ。
「げほっ……やっぱりビールのイッキは辛いな」
咽せ込んだのはラタル。
シークは自慢げに瓶を逆さに振って見せた。
「俺酒には自信あるんだもんね!」
「む。やるな」
「やた!俺にもラタルに勝てるものがあったぜ!後でナーリンの前でもやろう!」
「遠慮しておく」
「なーんでだよぉ、かっこいいとこ見せたいんだよ~」
「はははっ!馬鹿だな」
「へへっ、言われ慣れすぎ」
「あはははっ!」
太陽が落ちてゆく水平線。
夕闇に染まっていく空、景色。
燃えるような緋色が夜にさらわれてゆく様を、シークと並んで眺めた。
強すぎない風と止まない波の音が、心の深い場所を癒してくれる。
色々な事が、胸を駆け巡った。
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