緋色の空
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ルルを失い、誰にも会わないままクロロにホテルから連れ出され
旅を続けて5年。
思えば5年間、誰にも会っていないのだ。
両親、ゴン、キルア、レオリオ達、そして
まだ見ぬ妹―――
「このまま家に帰るのか?てかたまに帰ったりしてたのか?」
「いや……あれから一度も」
「え、マジ?5年間一度も帰ってねーの!?そりゃ帰ってやんねーと!
あの若いかーちゃん、寂しがってるだろ!」
「………」
当然の様子で天真爛漫に言うシークに、ラタルは返事をなくす。
確かに寂しがっていると思う(もともと異常な位に寂しがり屋だし)
今でも毎日、俺の事を心配して悲しい気持ちにもなってるだろう
しかし………
少し、時間が経ち過ぎたようにも感じる
5年もの間、連絡ひとつせず皆を放って放浪していたんだ
確かに自分にとっては紛れもなく必要な時間だった
後悔もしていない
しかし、こんなに自分勝手な事ばかりしておいて、今更どの面下げて帰ろうか?
簡単に言うと、とても帰りにくいのだ
「……はぁ」
「お?どした?なんで溜め息??」
「考えても……仕方ないんだがな」
シークを無視して独り言。
考えても仕方ない、その通りである。
この先、自然に帰れるきっかけや理由など生まれるはずもない。
何故帰りにくいのかと問われたところで、言葉にできる理由もない。
怒られるのが怖い訳でもないし、問い詰められるのが煩わしい訳でもない。
単純な事だ。"気恥ずかしさ"。
「ふ、馬鹿馬鹿しい」
自嘲気味に鼻で笑い、コツンと額に拳を宛てた。
――――帰ろう
みんなが待っている
気恥ずかしいし、反応に不安もあるけれど
会いたい
今、皆に会いたい
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