緋色の空
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「情けない姿を見せて、すまなかった……」
帰りの車内で、ラタルは窓の外に視線を放ったまま言った。
それまで何も言えず、気まずい思いでいたシークとナーリンは、前の座席から慌てて後ろに顔を覗かせた。
「情けなくなんかねーよ!当たり前だろ?お前はなんにも悪くねーんだから謝るなよな!!」
「そうだよ!そんな事気にするなんて水くさい!うちらの前では気を張る必要なんかないんだから思う存分泣いちゃいな!!」
優しい二人はラタルを気遣って、一生懸命励ましてくれる。
「ふ……」
その必死な顔に、思わず笑ってしまう。
「……ありがとう」
「またそれかよ!もういいって、マジ水くさい!」
「ちゃんと会えたんだね、ルルちゃんに」
「ああ。お前達が心配していた通り、森に残ろうとした俺を……俺の背中を、ちゃんと押してくれた」
俺の幸せが自分の幸せだと言って
前に進む力をくれた
「離れても傍にいるんだ。魂はいつでも、世界中の全てに溶けて皆を見守っている」
「ラタル……」
ようやく笑顔が出たラタルに、安心してシークの頬も緩んだ。
「よかったな、ラタル!」
心からそう思い口にすると、また目頭が熱くなった。
「泣き虫め」
「うう…ホントだよな…」
「情けないのはシークの方じゃないのさ!」
「な、ナーリン~(泣)」
何気ない会話で笑い合うと、一緒にいる空気の心地良さや不思議な懐かしさを感じた。
素晴らしい仲間
自分の為に泣いてくれて、励ましてくれて
思ってくれる仲間達。
「なぁラタル、お前これからどうすんだ?」
「え?」
" これから " ?
ああ、そうか……
もう旅はおしまいなんだ
クロロと二人で宛てもなく世界を巡る日々は、もう終わったんだ……
「……俺は……」
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