ユメ、マボロシ
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ラタルと分かれてから随分歩いた。
森の中は相変わらず清閑で、物寂しさすらある。
会いたい、と言うよりは、会えたらいいという程度だった。
しかし案内の男は率先してクロロを森へいざなったのだ。
「そろそろ同じ景観にも飽きて来たところだが……」
相手に会うつもりがないなら、このまま元の場所だったな
既に会う事を諦め、帰路を探し始めていたクロロ。
その時、唐突に人の気配を感じた。
「…なんだ。やっぱり居るんじゃないか」
ふっと笑い混じりに声をかけると、木陰からゆっくり姿を現したのは
「久しぶりだな、団長」
2メートルを優に越える大柄な男。
それは、十数年前―――クラピカがヨークシンで初めて対峙した幻影旅団の一員であり、その折に命を落とした男だった。
「まさか団長が俺に会いに来てくれるとはなぁ!どういう風の吹き回しだ?」
腕を豪快に組んで、カカカッとからかうように笑うその男。
「ああ…そうだな。死んでも元気そうで驚いた」
「相変わらずだぜ。塩梅は意外と悪くねぇ。
団長もそれなりに楽しく暮らしてるみたいじゃねぇか」
懐かしい仲間の笑顔。
この男は仲間の中で最も強さを追求し、現に1番強かった。
明るく豪快で、仲間に慕われ……
失ってからは、皆も随分静かだったように思う。
「ずっとお前に訊きたい事があったんだ」
「おう」
「お前を殺したのは誰だ?」
クロロの問いに、男はピクッと眉を上下させた。
"だから仲間は私が殺したって言ってんのっ!!"
リンがそう断言し、頑なに譲らなかった。
ヒソカすら、その真相は知り得なかった。
しかし、念能力においてこの男と同じ系統であるリンが、敵うはずはない。
やはりクラピカを庇っての嘘だったのか…
その事が、ずっと気になっていたのだ。
「誰って……もう知ってるだろ?」
「いや、如実に知っている訳じゃない。当事者であるお前から、ちゃんと聞きたかったんだ」
「聞いてどうすんだよ?」
「どうもしないさ」
そう
その口から聞く真実がどんなものであろうと
今更どうするつもりもない。
ただ
ただ………
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