鼓動
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それでも、優しい風が背中を押す。
迷う心を引っ張るように、前へ前へと導いてゆく。
「……ありがとう……ルル……」
ああ
やっとこの言葉を言えた
ありがとうルル
君に出会えて、俺は心から幸せだった
両手ではとても抱えきれない程の大きな大きな愛情を貰った
俺はどれだけ返せていただろう
君の笑顔が
泣き顔が
拗ねた顔が
強い瞳が
どれほど励みになったか知れない
祝福の花降る中、白いドレスを身に纏った君が、俺の隣を歩く日を
本気で夢に見た
今でも愛してる
きっと一生、君が大好きだ
だからきっといつか
また
「ラタル~~~~!!」
「ラタルくんーっ!!」
霧がふわりと一瞬にして晴れたと思ったら、目の前には元の景色。
バスの中から二人一気につっかえながら降りて来て、シークとナーリンは勢いよくラタルに飛びついた。
「待たせたな」
ポンポンと頭を叩いてやると、同時に二人してブワッと号泣しだした。
「うぅっ……よかったぜ~~~!もう……っ……帰って来てくんねーかと……思っ……」
「ルル、ちゃんと、一緒に、行っちゃう、んじゃないか、と、……ぐすっ……」
「シーク……ナーリン……」
こんなにも心配してくれる仲間がいる。
二人の涙に(泣き顔は……夫婦揃ってちょっとアレだが…)ラタルは胸が熱くなった。
「ほら、ね?」
と、ルルの声が聞こえてくるような気がする。
ラタルはクスッと笑って瞳を閉じ、シークとナーリンをきつく抱きしめ返した。
「……ありがとう、二人とも。お前達のお陰で、ようやく朝に出会えた」
「あ、朝?ルルちゃんじゃなくて?てか今もう昼だぜ?あ、頭やばい、ラタルやられて帰ってきた」
「いいから鼻水を拭け、馬鹿者」
「感謝してたんじゃねーの!?もう馬鹿者呼ばわり!?」
長い、長い
夜が明けた
眩しい朝焼けに、細めた目から涙が滲む。
例え同じ時を生きられなくとも
万物はひとつであり、全ては繋がっている
風に、空気に、海に、空に
木漏れ日の中に
小川のせせらぎの中に
雄大な星空の中に
人々の笑い声の中に
君はいる
いつも傍に
だから、また会おう
" いつも笑っていますように……
いつまでも
幸せでありますように…… "
~続く~