霧の向こう
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「おおおお疲れ様でございました」
運転手の挨拶と共にバスのドアが開く。
「ここが……?」
随分と田舎道を通っていたのはわかっていたが、気付けば前も後ろも林。
いつの間にか真っ白な霧に囲まれて、異様な雰囲気に包まれていた。
「どうぞ、どうぞ、おおおお、お降り下さい」
促され、ラタルが真っ先にバスを降りる。
続いてシークが出ようとした時、運転手にガシッと腕を掴まれた。
「ぎょわぁっ!?何だよーっ!?(泣)」
「ああああ貴方はだだだだ駄目です、貴方と貴方は残って下さい」
「ええっ!?」
指さされたのはシークとナーリン。
ラタルも振り返り、「何故だ?」と問う。
「ああああ貴方達は、ここここ、ここに用がない。ひひひひ一人の死者に会えるのは一人だけです」
「え……じゃあうちら、ルルちゃんに会えないって事?」
「ああああ、貴方達より彼の方が、そそそその方に会いたいという気持ちが強い。
ほほほほ他に会いたい方がいないなら、ここに残って下さい」
頭を下げる運転手。
シークとナーリンは顔を見合わせ、暗く表情を落とした。
しかし、すぐに二人とも笑顔を作り、ラタルに手を振った。
「しゃーねーよな!会いたかったけど……俺らの分までラタルが会ってきてくれよ!」
「伝えて、ルルちゃんに!ずっと友達だからって!いつか会えるよねって!大好きって……!」
ごめんとか、後悔してるとか
そんな言葉はきっと受け取って貰えないから
「……了解。行ってくる」
「行ってらっしゃい!」
二人の気遣いにラタルも笑顔を返し、凜として前を見据えた。
「で、俺は?」
そしてもう一人……
止められずにクロロもバスを降ろされた。
「あああ貴方も、あああ会いたい人が、いいいいますね?」
「…………」
最後に運転手も降りるとバスのドアを閉め、ラタルとクロロを前にまた襟元を正した。
「では改めまして、私がこの森への案内人、ハルヲです。
これから簡単なルールを説明させて頂きます」
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